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「肥満パラドックス」の謎、除脂肪体重で解明か?

除脂肪体重および体脂肪量と死亡との関連を調査した前向きコホート研究の結果が7月3日、「BMJ」オンラインに掲載された。

米国で医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)に参加した男性3万8006人(40~75歳)のデータを対象に、除脂肪体重、体脂肪量、およびBMIの予測値と全死亡および原因別死亡の関連を追跡調査。調査期間は1987~2012年だった。

その結果、BMIと全死亡には一貫してJカーブの関連が、体脂肪量と全死亡には強い正の相関が、除脂肪体重と全死亡にはUカーブの関連が見られた。原因別死亡では、体脂肪量予測値が上位20%の男性は、下位20%の男性に比べて心血管疾患、がん、呼吸器疾患による死亡リスクが高かった。除脂肪体重と心血管疾患死亡およびがん死亡にはUカーブの関連が見られたが、呼吸器疾患死亡との間には強い逆相関が見られた。

体格と死亡との関連パターンは、除脂肪体重および体脂肪量という2つの身体構成成分によって決定されていた。肥満や太り過ぎの人は生活習慣病のリスクが高く、心臓疾患や糖尿病による死亡リスクも上昇するが、標準体重の人や痩せている人より生存率が高いという「肥満パラドックス」は、低体脂肪量よりも低除脂肪体重により説明される可能性が大きいことが示唆された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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