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フルーツ・ジュースはフルーツと同じ、ではない

英国グラスゴー大学の研究者らは、フルーツ・ジュースを飲むことは砂糖入りの飲み物を飲むことと同じという警鐘を、2月10日、「The Lancet Diabetes & Endocrinology」オンライン版に発表した。

同大学のNaveed Sattar教授と Jason Gill博士は、1日150ml以上を飲むべきではないと消費者にわかるようにラベルに書くことを求めている。また、英国政府が推奨する野菜・果物を1日5皿食べようという「five-a-day」では、フルーツ・ジュースを1皿に含むべきではないとし、ガイドラインの変更を推奨した。

代謝医学のSattar教授は「フルーツ・ジュースは砂糖入りの他の清涼飲料と同等のエネルギー密度を持っている。例えば、リンゴジュース250mlは通常砂糖26gが含まれ110キロカロリー、コーラの250mlは砂糖26.5gで105kcalある。さらに、フルーツ自体を食べると糖尿病リスクを減少または中程度にとどめることに比べ、フルーツ・ジュースの大量消費は糖尿病リスクの増加との関連が示唆されている」と話した。

1杯のフルーツ・ジュースには1つの果物よりも実質的に糖分が多く含まれているだけでなく、果物に多い繊維質はジュースには少ない。Gill博士によれば、「砂糖入り清涼飲料には含まれないビタミンやミネラルがフルーツ・ジュースには含まれているが、その微量栄養素​​の含有量は、フルーツ・ジュースの代謝への悪影響を相殺するのに十分でない可能性がある」と述べている。

2000人以上の成人が参加した、市販の飲料に含まれる糖分についてのオンライン投票の結果、炭酸飲料に含まれる糖度は12%以上過大評価されたのに対し、フルーツ・ジュースやスムージーでは48%の過小評価がされていた。「フルーツ・ジュースやスムージーが、砂糖入り清涼飲料より糖分が低いという誤解があるようだ」。

「five-a day」は1991年米国の国立がん研究所などが中心となって始められた健康促進運動で、がん予防のために野菜と果物の摂取量を上げようという「five-a-day」(1日に5皿)という目標を掲げたもの。現在では、日本、英国、オーストラリア、カナダなど多くの国で取り組みが行われている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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