2023年には、16歳から64歳までのインターネット利用者の80.5%がSNSを利用しています。これらの新しい検索エンジンは、あなたのウェブサイトや事業の検索エンジン最適化(SEO)にとって、補完的かつ切り離せない戦略です。ここでは、ソーシャルメディアを使いこなすための基本的なポイントをご紹介します。
執筆:LAËTITIA PONCET ROMEO
なぜSNSを最適化するべきなのか?
オンラインでの専門性を中心に、アクティブなコミュニティを作る
SNSでフォロワー数が増えるのは良いことですが、それ以上に重要なのは、あなたの美容サービスが必要なときに毎回選んでくれる、エンゲージメントの高い質の良いコミュニティを持つことです。
これらのソーシャルメディアは、お客様とつながり続け、交流し、信頼関係を築くのに最適です。ですから、ためらわずに——シェア、シェア、そしてシェアしましょう。
スキンケアのアドバイスやメイクアップのコツ、肌トラブルを和らげるための解決策は、あなたのウェルビーイングやスキンケアの専門性を引き立てます。写真、動画、体験談、そして読者に人気で没入感のある事例紹介など、どんどん発信していきましょう。
顧客をより深く理解する
SNSは、顧客の行動やニーズ、好みを分析するための効果的な手段です。フォロワーに肌の悩みやスキンケアの課題、意見を共有してもらい、最も多くの反応(質問、いいね、コメント)を得た投稿を分析しましょう。こうした交流は、美容サロンの商業的なサービス構成を組み立てるうえでの強固な基盤となります。
Google検索の上位に表示される
Googleは、ウェブサイト、Google Businessプロフィール、オンラインディレクトリ、YouTubeチャンネル、ポッドキャスト、そしてSNSなど、あなたのデジタルエコシステム全体を評価します。これらは重要な集客チャネルであり、オンラインでの視認性を高め、Googleのアルゴリズムに好影響を与えることで、検索結果の上位表示につながります。
トラフィックを多様化し、デジタルコンテンツの価値を高める
SNSは、あなたの発信媒体を強化し、ウェブサイト単独では届かないより幅広い層に情報を届けます。これは異なる年齢層や社会的カテゴリー、男女を問わず幅広くリーチできる無料の広告とも言えます。
売上を向上させる
ソーシャルセリングは2024年に注目すべきトレンドです。インターネット利用者の31.6%が、購入を検討するブランドや商品についてSNSで情報収集しています。今すぐ、サロンで取り扱う美容商品の実演動画を撮影したり、ブランドのレビューを発信したり、メイクアップのチュートリアルを作成しましょう。
SNSを最適化するための6つの基本ルール
各メディアにはそれぞれ最適化の特性がありますが、検索結果での上位表示につながる共通のルールも存在します。
1. 適切なキーワードを見つける
ウェブサイトのSEOと同様に、SNSでもキーワードは不可欠です。利用者はGoogleなどの検索エンジンとSNSの両方で、サービスを探す際によく似た語句を入力します。
2. 公式名称とプロフィールを最適化する
アカウント名には、職業に関連するキーワードを含めるとともに、可能な限り店舗の看板に表示されている正式名称を維持し、顧客やGoogleの検索ロボットに認識されやすくしましょう。例えば、サロン名が「Rebecca Facialiste」であれば、Facebookページも「Rebecca | Facialiste」と表記し、「Rebecca Esthéticienne」に変更しないようにします。
各SNSのプロフィール(Instagramのバイオ、LinkedIn、Facebook、YouTubeチャンネルなど)には、自然な形で次の情報を加えます。
- 提供するサービスに関連するキーワードを含んだ魅力的なキャッチフレーズ(例:マニキュア、ブライダルメイク ボルドー、出張美容 37、美容サロン経営者 など)
- 所在地
- ウェブサイト、ニュースレター登録フォーム、YouTubeチャンネルへのクリック可能なリンク
3. 統計データを分析してコンテンツを最適化する
SNSのパフォーマンスは、各プラットフォームのビジネスページに備わっている統計機能で定期的に確認しましょう。これにより、投稿に最適なタイミング(曜日、時間帯、時期)を把握できます。
HubSpotの調査では、メディアごとに効果的な曜日が示されています。YouTubeは水曜・金曜・日曜、Facebookは金曜・土曜、Instagramは週末と水曜、TikTokは火曜・金曜・土曜が推奨されています。
複数の時間帯を試し、コミュニティが最も反応しやすいタイミングを見極めましょう。さらに、オーディエンスの定着とアルゴリズムの関心を維持するためには、週に2~3本のコンテンツ(写真、動画、音声、カルーセル)を発信することが理想です。
4. 短く魅力的な「スナッカブル」コンテンツを作成する
短尺フォーマットは注目を集めるために不可欠です。日常の中で手軽かつ短時間で消費できる形式が理想です。フォロワーが簡単に共有でき、コメントやリミックスによって自分のコミュニティ向けに活用できるような内容にしましょう。
作成したコンテンツは、複数のメディアで再利用できます。例えば、ブログ記事をInstagram用のインフォグラフィックに変換したり、YouTube動画を複数の短編クリップに分割してYouTube Shortsに投稿することが可能です。形式は教育的でインタラクティブ、そしてオーディエンスのニーズに応えるものであることが重要です。
5. コミュニティと積極的に交流する
アルゴリズムの評価を高めるためには、以下のような定期的なアクションが効果的です。
- コメントへのこまめな返信
- 他者の投稿への反応や引用
- ネットワーク内の人物やブランドのタグ付け
- 新しい話題の発信
- 質問の投げかけ
さらに積極的な施策として、LinkedInやInstagramでのライブ配信の実施
6. ハッシュタグを効果的に活用する
ハッシュタグ(#)はコンテンツをテーマ別に分類・整理する役割を持ちます。投稿に付けることで、フォロワーでない人にもコンテンツが見つけられやすくなります。クリックすると、同じハッシュタグを含む全てのコンテンツが表示されます。デジタルコンテンツの拡散を最適化するためには、以下のように多様なハッシュタグを組み合わせましょう。
- 提供サービスに特化したもの(#ブライダルメイク、#ネイルアート)
- サロンで使用する製品やブランドに関連するもの(#フェイスクリーム)
- 活動内容に関連するもの(#美容業、#美容サロン経営)
- 季節やイベントに関連するもの(#母の日、#ピンクリボン運動)
- 地域に関連するもの(店舗所在地の都市名、近隣の有名スポット名など)
注意
ハッシュタグの乱用はアルゴリズムにスパムと判断され、リーチ低下につながる可能性があります。適切な数を使用し、フォロワー数の多い人気ハッシュタグと、比較的利用者が少ないニッチなハッシュタグを組み合わせることが、埋もれずに効果的な可視性を得る戦略です。
Instagram ― あなたのブランドイメージを形作るSNS
なぜInstagramを始めるべきか
2023年、フランスでは2,330万人がInstagramを利用しており、16歳から64歳のインターネット利用者の58.6%が月に1回以上このアプリを閲覧しています。そのうち62%は、ブランドをフォローするか、ブランドを探す目的で利用しています。
Instagramは、若年層や子育て世代にアプローチできる強力なビジネスツールであり、イメージ戦略においても欠かせない存在です。ビジュアル重視のプラットフォームとして、コミュニケーション戦略に自然に組み込むことができます。
Instagramプロフィールを最適化する方法
プロアカウントに切り替える
印象的な自己紹介文(バイオ)を作成します。このスペースはわずか150文字しかなく、非常に貴重です。ここには以下を盛り込みます。
- 魅力的なキャッチフレーズ(関連キーワードを含める)
- 所在地
- 絵文字
- クリック可能なリンク(ウェブサイトやオンラインショップ)
サービス内容に応じてカスタマイズできる例
- 出張であなたの美容プランを作ります
- スキンケアは学べる科学です
- あなただけのビューティー講座
- 肌タイプ診断をお手伝いします
- あなたへの美容の秘密をお届けします
- この美容法で肌が変わります
※この欄にハッシュタグ(#)を入れても効果はありません。
3. コンテンツを作成する
- 地域の顧客ニーズに合わせる
- リール、ライブ配信、ストーリーズ、通常投稿など多様なフォーマットで視聴者を惹きつけ、継続的にファン化させる
- 説明文(キャプション)は明確にし、地域情報を入れ、ソーシャルメディア最適化(SMO)に対応させる
- ストーリーズにはリンクを追加し、自社サイトや予約プラットフォームへ誘導する
- キャプションには3~5個のハッシュタグを使い、投稿のリーチを最大化する
ハッシュタグ例
- #skin 3,470万件
- #skincare 1億2,600万件
- #skincaretips 1,380万件
- #routinebeaute 30.2万件
- #maquillage 380万件
- #maquillagemariee 11.1万件
- #lesnouvellesesthetiques 5,000件
- #prothesisteongulairedomicile 27.9万件
- #facialiste 5.24万件 など
Facebook ― 30代以上の顧客層に強いSNS
なぜFacebookページを選ぶべきか
2023年、フランスでは4,000万人がFacebookを利用しており、その約60%が35歳以上です。特に35〜45歳以上の顧客層にアプローチするには欠かせないプラットフォームです。
アンチエイジングケアの宣伝に理想的で、強力な集客ツールでもあります。実際、利用者の62%が「Facebookで見た商品により関心を持つ」と回答しています。このプラットフォームを活用し、認知度と売上を高めましょう。
Facebookページを最適化する5つのヒント
1. プロフィールではなくページを作成する
ページのみが可視性を高める効果を持ちます。
2. 高品質な正方形のプロフィール写真を設定する
最低でも320×320ピクセルで、企業を象徴する画像を使用します。カバー写真(横幅最低720ピクセル)は、サービスの魅力を伝えるものにしましょう。
3. 所在地を正確に登録する
登録が難しい場合は、住所を非公開に設定します(移動型で活動する美容業者など)。サロンが他の施設(ショッピングセンターや駅)内にある場合は、「他の場所に所在」を選択します。
4. 推薦機能を有効化する
顧客が口コミや評価を残せるように、ページの推薦機能をオンにしましょう。
5. コールトゥアクションボタンを追加する
自社のオンラインショップや予約プラットフォームに直接遷移できるボタンを設置します。
6. Facebookグループに参加する
美容や化粧品業界の関係者が集まり、顧客獲得や事業拡大のためのアドバイスや情報を交換する場です。ここは、美容関連業務に関する独自の知識を得たり意見を交わしたりする理想的な場所です。
LinkedIn ― スキル向上のためのネットワーク
LinkedInは採用活動のためのツールと見なされがちですが、それ以上の価値を持っています。2024年には2,900万人の利用者が登録しており、プロとしての存在感を高め、戦略的なパートナーシップを築き、美容業界における専門知識や見解を発信する場として活用できます。
なぜLinkedInプロフィールを持つべきか
美容業界の職種変化を把握する
LinkedInは就職活動だけのためのものではありません。美容施術者やマッサージセラピスト、スパ施術者にとって、急速に進化する業界動向を追い、競争力を保つために欠かせないツールです。
このプラットフォームでは、ネットワークを拡大し、美容分野における最新トレンドや技術革新、科学的発展についての情報を得られます。さらに、皮膚科医、美容外科医、理学療法士、化粧品処方者、美容テクノロジーブランド、そしてコミュニケーション、販売、マーケティングの専門家ともつながることができます。
ニュースフィードを通じて、医療・科学・マーケティングと、美容・ウェルビーイング・店舗経営の実務を結びつけるヒントやインスピレーションを得ることができ、これらのつながりは事業の継続性を支える大きな助けとなります。
採用する側・される側としての活用
LinkedInは優れた採用ツールでもあります。プロフィールはオンライン履歴書として機能し、求人への応募やアラートの作成、地元での人材発掘が可能です。
求職者の場合は「Open to Work」フレームを有効にして、自分に合った求人にアクセスできます。サロン経営者など採用側の場合は「Hiring」フレームを有効にし、「美容施術者」「マッサージセラピスト」「ネイル技術者」などのキーワードで、ニーズに合った人材を見つけることができます。
専門知識を共有し、パートナーシップを築く
LinkedInは、経営手法や施術プロトコル、アイデアを共有するのに最適な場です。グループに参加することで、スキンケアブランドや、補完的な職種(ソフロロジー専門家、美容師)、美容機器メーカー、デジタルエージェンシーなどとパートナーシップを築くことができます。こうしたネットワーキングは、事業の成長と進化を後押しします。
LinkedInアカウントと投稿を最適化する方法
プロフィール写真・バナー・肩書き
プロフィール写真はプロフェッショナルで高品質なものを使用し、推奨サイズは400×400ピクセルです。名前の下に表示される肩書き(タイトル)は、120〜150文字以内で、自身の専門性を簡潔にまとめます。採用担当者やパートナーが検索する可能性の高い関連キーワードを盛り込みましょう。例としては「プロフェッショナルメイクアップアーティスト」や「フェイシャリスト」、「スパ施術者」、「レナータ式マッサージ」などがあります。
経歴や実績に応じてカスタマイズできる例
- 「フェイシャリスト専門家|経験10年|お客様が自分の肌に自信を持てるようサポート|小顔術Kobido、2024年最優秀シグネチャーケア賞受賞」
- 「ウェルビーイングセンターXXX代表|講演者|未来のスパのビジョンを発信」
- 「プロフェッショナルメイクアップアーティスト|Make-Up For Ever Academy修了|テレビ番組・ファッションショー出演」
バナーは視覚的なコミュニケーションの場であり、専門分野を反映したデザインにしましょう。Canvaなどの無料ツールを使ってオリジナルに作成することを推奨します。これは無料で活用できる追加のPRスペースであり、デフォルト画像のままにしておくのはもったいない選択です。
施術中の様子や、自身の作品(マニキュア、マイクロブレーディングなど)を紹介することをためらわないでください。その際には、美容やウェルビーイング、美的アプローチに対する自分の考え方をまとめた一文を添え、専門性を示すキーワードを入れましょう。
LinkedInの「情報」欄(自己紹介文)
要点を押さえた印象的な要約を作成し、自身の実績や職業上の目標に焦点を当てます。YouTubeのチュートリアル、ニュースレター、オンラインショップ、ポッドキャストなど、ウェブ上で発信したコンテンツを紹介しましょう。最後に「私について詳しく知る」「シグネチャーケア開発や在庫管理のご相談はお気軽に」などの行動喚起で締めくくります。
アカウントを活性化させる5つのヒント
ネットワークとLinkedInのアルゴリズムに、あなたがプラットフォーム上で積極的に活動していることを示しましょう。
- 毎週、自分の活動に関連する15人の専門家と新たにつながる
- 同僚、パートナー、顧客から推薦文を依頼する
推薦は信頼性・可視性・読者の信頼を高めます。3〜4件以上の推薦が集まると、LinkedInの検索結果で上位に表示されやすくなります。
- 関連性の高いコンテンツを共有する
- Les Nouvelles Esthétiquesや美容系の研修機関(CFAや私立学校など)といった専門グループに参加する
- 積極的かつ礼儀正しく交流する
たとえば、職業上の成功を祝福する、知識共有への感謝を伝える、質問を投げかけるなど。
ブランド価値と売上を伸ばす効果的なSNS運用を
SNS運用は大きな挑戦ですが、ブランドの知名度向上や売上拡大には欠かせません。アルゴリズムは常に進化し、Pinterest、Thread、TikTokなどの新しいメディアも次々と登場しています。とはいえ、ひとつのSNSを効果的に運用するだけでも、エンゲージメントの高いコミュニティを築き、検索順位を上げ、質の高い顧客を獲得することが可能です。
常に最新の運用ノウハウを保つためには、学び続けること、コミュニティマネージャーへの委託、またはAIツールの活用を検討しましょう。SNSは次世代にとっての検索エンジンであり、競争力を維持するために習熟することは、#コミュニケーション戦略において最優先事項です。