ポーラ、真皮の線維芽細胞の増殖に「アクアポリン」が関係
2018.08.3
編集部
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(東京都中央区)の子会社であるポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)はこのほど、真皮の線維芽細胞の増殖に「アクアポリン(AQP)」が関係していることを発見したと発表した。
併せて線維芽細胞のAQPを増やすエキスも発見しており、このエキスを配合した化粧品を使うと、生体が酸化ストレスに曝されても線維芽細胞の増殖を促進し、肌のみずみずしさやハリが保たれると考えられるとしている。
水は、細胞活動にとって必要不可欠。その取り込みや排出を担う水の通り道であるAQPは、細胞活動において大切な役割を担っている。そこで、線維芽細胞におけるAQPの影響を調べたところ、AQP1とAQP3の発現量を減らした線維芽細胞では、正常な状態に比べ細胞増殖が約3/4に低下してしまうことを世界で初めて発見した。つまり、AQPが十分にないと、みずみずしくハリのある肌を維持するために重要な線維芽細胞が活発に増殖・活動できなくなってしまう。
また、線維芽細胞のAQPが減少する原因を探るため、紫外線、大気汚染、肥満、過度の運動、心理的ストレスなど日常生活での様々な要因で発生し生体に悪影響を与える酸化ストレス(活性酸素)の影響を調べたところ、線維芽細胞を活性酸素にさらすとAQPが減少してしまうことを発見。したがって、線維芽細胞が酸化ストレスに負けず活発に増殖し活動するには、線維芽細胞のAQPを増やしておくことが必要だと考えられる。
さらに、線維芽細胞のAQPを増やすことのできる成分を探索した結果、ヤグルマギクおよび海草のアマモから抽出したエキスがAQPを増やすことを見出した。
今回の成果は、オルビス株式会社から今秋発売されるスキンケア化粧品をはじめ、ポーラ・オルビスグループの商品に活用される予定だ。
- 参考リンク
- 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス