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研究開発が進む「にきびワクチン」

にきびの症状を緩和する「ワクチン」の開発に著しい進歩があったという研究報告が8月29日、オランダを本拠地とする国際学術出版社大手Elsevierからプレスリリースされた。研究の詳細は、同社発行の「Journal of Investigative Dermatology」オンラインに掲載されている。

尋常性ざ瘡(にきび)における細菌Propionibacterium acnes(P.acnes)から分泌される毒素Christie-Atkins-Munch-Peterson(CAMP)因子に対する抗体が、ヒトのざ瘡病​​変における炎症を減少させ得ることを初めて実証した。

米国カリフォルニア大学サン・ディエゴ校医学部皮膚科所属で本研究の主任研究員であるChun-Ming Huang博士は「にきびは命に関わる疾患ではないが、現行の治療法では効果が足りなかったり、治療に耐えられなかったりするケースが多い。大規模な臨床試験でこのワクチンの有効性が確認されれば、尋常性ざ瘡に悩まされている何百万人もの人々への潜在的な影響は大きい」と述べている。

現在のにきび用医薬品は、皮膚の乾燥や刺激、うつ病、自殺思考などの増加など重篤な副作用を引き起こすことが知られている。開発中のにきびワクチンは、現行の治療選択肢である局所または全身のレチノイドおよび抗生物質の潜在的な副作用を回避することができると期待されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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