地中海式食で健康な老化促進関連の腸内細菌が増加
2020.03.3
国際部
地中海式食事が健康な老化と関連する腸内微生物叢の形成と関連するという研究論文が2月17日、「Gut」オンラインに掲載された。
加齢に伴うフレイル(心身の脆弱性)は、多様性のある食事による腸内細菌叢の変化で抑制できる可能性が指摘されている。今回の研究では、欧州5か国で65~79歳の612人の高齢者(65~79歳)を対象に、12か月間の食事介入試験を実施した。食事は、対象者の半数を地中海式食事、残りの半数には通常の食事を継続してもらった。評価は試験開始前と終了後の腸内細菌叢の変化、およびフレイルの軽減だった。
その結果、地中海式食の遵守と特定の微生物叢の変化の関連が確認された。また、地中海式食はフレイルの低下、認知機能の改善と正の相関があり、C反応性たんぱく質、インターロイキン-17の炎症マーカーと負の相関がみられた。微生物代謝産物プロファイル分析から、食餌調整ミクロビオームの変化は、短鎖/分岐鎖脂肪酸生産菌の増加と、二次胆汁酸、p-クレゾール、エタノール、二酸化炭素の生産菌の減少と関連していた。