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アタマジラミを染め出すヘアトリートメント状染料を開発

成虫でも大きさが2.5-3ミリと小さく、見つけにくいアタマジラミだけを染め出す染料の開発に関する論文が324日、「Cosmetics」オンラインに掲載された。

現在の日本でも、子供を中心によくみられるのがアタマジラミである。国立感染症研究所による実態調査によるとアタマジラミ発生世帯数は約83万世帯/年と推計され、蔓延している状態であるとも考えられている。

英国で行われた今回の研究は、アタマジラミの成虫および卵殻を髪の中でも容易に見えるように染色することで、シラミ駆除治療の成果を目視できるようにし、過剰な治療を受けるリスクを減らすことにもつながると考えられた。開発は、塗布や洗い流しが簡単で、シラミの卵や成虫は染色するが髪や皮膚は染めないヘアトリートメントゲルを目標としていた。人体に安全な食品グレードの染料について、卵殻を染色する能力を評価し、さまざまなコポリマーベースのレオロジー調整剤が染料の適合性と安定性についてテストされた。

その結果、最終的に2つの染料、Patent BluePonceau 4Rが候補として選ばれた。ヘアトリートメントゲルは治療後にも残った卵殻発見用として、さらに治療前の診断用の2種類が開発された。臨床フィールド研究では、この2種類とも、髪色と十分に対比させて卵殻だけを染め上げることができ、シラミの識別も可能にすることが確認できた。今回開発された卵殻染色用ヘアトリートメントゲルを使用すると、シラミと卵殻を簡単に検出できるため、駆除プロセスが容易になると期待されている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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