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ウサギの代替にプラナリアを用いる皮膚刺激性試験

淡水に生息する扁形動物のプラナリアを用いた皮膚刺激実験の新しい方法が10月1日、英国University of Readingからニュースリリースされた。研究の詳細は「Toxicology in Vitro」オンラインに掲載されている。

薬剤や化粧品などの安全性試験の中でも欠かすことのできない皮膚刺激性試験には、ウサギやモルモットなどの生き物が用いられることが多い。今回の報告では、新しいプラナリア蛍光アッセイという、安全性試験への高等脊椎動物の使用を回避するシンプルで費用効果の高いin vivoメソッドを提供するものである。

プラナリア(Dugesia lugubris)は体長3~20ミリの小さな水棲動物で、メスで切り分けても再生する強い生命力で知られている。プラナリアは容易に入手でき、また実験室内でも簡単に培養できるため安価で、プラナリア自身が苦痛を感じることがないとされているため倫理的であるとされた。高等脊椎動物の代替にはヒトの皮膚細胞が用いられることも多いが、生体のプラナリアを用いることで製品が生体組織とどのように相互作用するかについてのより正確なテスト環境が提供できるようになる。

強、中、軽度、非刺激性の14の試験化学物質についてプラナリア蛍光アッセイを用いて試験を行ったところ、皮膚刺激物が強いほど急性曝露後のプラナリア内のフルオレセインナトリウム蓄積が増加することが示された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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