ロレアル リサーチ&イノベーション 化粧品転写の新技術で「最優秀ポスター賞」を受賞

最新商品

2021.11.4

編集部

仏・ロレアルグループ(本社:パリ)の研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーション(神奈川県川崎市/所長:アミット・ジャヤズウァル)は11月1日、「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC※)カンクン中間大会2021」に参加し、「化粧品衣服などへの付着を防ぐ新技術」が、ポスター発表250件の中から最優秀ポスター賞を受賞したと発表した。

この研究は、2018年2月に日本のロレアルチームが116名のアジア人女性を対象として行った調査で、回答者の97%が化粧品の衣服への色移りに悩まされていることがわかったこと。また、コロナ禍で、使用が増えているマスクへの化粧品の転着も気になるという声も多く見受けられるようになったことから開始された。

その結果、同研究部門はPGP(Polyion complex Gel Particle、ポリイオンコンプレックスゲル粒子)と呼ばれる素材を用いてこの問題に対処できる技術を開発することに成功した。

PGPは、ポリカチオンとポリアニオンをクロスリンカーと呼ばれる分子で架橋した素材で、安定に色材を包み込んで外部と接触しないようにすることができる。

この技術を使って作成した化粧品処方は、軽いテクスチャーで、汗や水にも強い均一で滑らかな膜を皮膚の上で作ることができ、かつ色材が衣服やマスクへの色移りを抑えることができる。

また、この膜は摩擦やひっかきによって傷がついても自己修復する機能がある。同研究機関では、この技術を日焼け止めに応用することによって、近い将来、紫外線に対する効果が持続するサンスクリーンや色移りのないメイクアップ製品を実現できると考えている。

なお、この研究・発表を行ったのは、日本の研究開発部門に所属する菅友美研究員をはじめとするチームだ。

※IFSCC:The International Federation of Societies of Cosmetic Chemistsの略で、世界各国の化粧品技術者や研究者を対象にした学術大会であり、最新の研究成果の発表および討論の場となる国際機関。

#

↑