世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

ニコチンアミドモノヌクレオチドの抗メラニン形成効果

皮膚の色素沈着に対するニコチンアミドモノヌクレオチドの効果を検討した結果が5月7日、「Journal of Dermatological Science」オンラインに掲載された。

ニコチンアミドモノヌクレオチドは、マウス試験でエネルギーと脂質代謝の増加およびインスリン感受性の増加が確認され、老化防止効果が期待されている成分である。今回の研究では、ニコチンアミドモノヌクレオチドによる皮膚の色素沈着に対する効果を検討。若いメラノサイトと老化したメラノサイトの両方に適用し、メラニン生成、タンパク質発現、およびmRNAレベルを分析した。さらに、ヒト皮膚モデルを使用して、インビボでのメラニン形成に対するニコチンアミドモノヌクレオチドの効果を検証した。

その結果、ニコチンアミドモノヌクレオチドは若いメラノサイトに明らかな影響を示さなかったが、老化したメラノサイトではメラニン生成に著しい減少が観察された。また、ニコチンアミドモノヌクレオチドは、老化したメラノサイトを含むヒトの皮膚におけるメラニン生成を効率的に減少させた。ゲノムワイド解析では老化したメラノサイトにおけるメラニン形成関連のcAMP/Wntシグナル伝達のダウンレギュレーションが示され、メラニン形成関連タンパク質、チロシナーゼ(TYR)、チロシナーゼ関連タンパク質(TRP)-1、およびTRP-2のフォルスコリン誘発性発現のダウンレギュレーションも確認された。ニコチンアミドモノヌクレオチドは、加齢に伴う色素沈着過剰治療に影響する可能性がある、人に優しい抗メラニン形成剤であることが示唆された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP