薬用石けんの抗菌効果に疑問
2013.12.18
編集部
米国食品医薬品局(FDA)は16日、薬用石けん(抗菌石けん)の安全性および有効性に関する規則案を公表した。
昨年、口紅、洗顔フォーム、日焼けどめ,化粧水や美容液、デオドラントスプレーなどに一般的に使用されている殺菌成分の「トリクロサン」を使用した薬用石けんの効果は普通の石けんと変わらないというFDAの見解が発表されていた。この結果は2008年時点の調査を基にしており、最新の結果を取り入れた見直しが行われてきていた。今回の規則の公表は、その見直しの一環として実施されたもの。
規則案は「抗菌」のハンドソープとボディウォッシュのメーカーに要求するもので、規則に従わなかった場合には、市場からの回収やラベルの変更が要求される。なお、この規則は、手の消毒剤(アルコール製品)や医療現場で使用される抗菌製品には適応されない。
米国では抗菌性ハンドソープやボディソープ製品は広く使用されており、消費者は細菌の拡散を防ぐ効果があるとの表示を目にしている。しかし、これらの製品が普通の石けんと水よりも効果が高いという明確な証拠は現在のところないという。さらに、いくつかの研究データは、抗菌製品に使用されている有効成分・トリクロサン(液体石けんに多い)とクロカルバン(固形石けんに多い)への長期曝露が、ホルモンの影響などの人体への健康リスクをもたらすことを示唆している。