株式会社シェイプアップハウス 代表取締役下村朱美さん

インタビュー

監修:美容経済新聞

1982年大阪の難波に『やせる専門店シェイプアップハウス』、1986年には日本初となる男性専用エステ『ダンディハウス』のオープン以来、今年で30 周年を迎えるエステティックサロンを展開する株式会社シェイプアップハウス 代表取締役の下村朱美氏をゲストにお迎え。
当時はまだ数少なかったエステティシャン養成スクールの開校や、2005年に【世界優秀女性起業家賞】をSPA・エステティック業界では世界で初めて受賞するなど、業界に多大なる影響を与え、その発展に貢献しつづけている下村朱美氏の美容との関わりと歴史を繙く。
※掲載内容は全て取材当時のものとなります。(c)2011

下村朱美さん

エステティシャンは一生懸命になれる素晴らしい仕事

花上:シェイプアップハウスグループといえば、エステティック業界の礎を築き、業界の発展に貢献しているというだけでなく、有能なエステティシャンを輩出する専門学校も非常に有名ですが、下村さんはどういったきっかけでこの業界に入られたのでしょうか?普段は聞けないたくさんの秘密やこれまでの歩みなどについて伺えればと思うのですが、どうぞよろしくお願いいたします。

下村:とても緊張していますが、こちらこそよろしくお願いいたします。

花上:今年で30周年を迎えられますが、人並みの努力ではここまで長きに亘り支持を得つづけ、つねに最前線を行くエステティックサロンであり続けることは本当に難しいと思います。まずエステティシャンになろうと思ったきっかけをお聞かせください。

下村:正直、何も特別なことはしておりません。あっという間に30年が経っていたという感覚です(笑)。きっかけは、20代の頃にエステティックサロンに行った時、お客様をキレイにしようと一生懸命なエステティシャンと出会ったことです。私と同じような若い女の子が、一生懸命キレイにしてくれようとしている―。
その姿に感動を覚え、「あぁ、若い人でも人のためにこんなに一生懸命にできる仕事があるんだ」と感じました。

ただ、当時のエステティシャンは、施術にしても商品にしても、“なぜ”“どんな風に”いいのかをまったく分かっていませんでした。皮膚の構造や化粧品の成分についても、きちんとした知識を持っていないエステティシャンがほとんどだったのです。私は、そんな彼女たちを見ていて、このエステティシャン達が知識を身につけられれば、彼女たちが望む「お客様が喜ぶ効果」をもっと出せるはずだと強く思いました。

そこで、「明確な理論を持つエステティックサロンをつくりたい」という想いで、今も昔も勉強することにこだわってきました。とにかく理詰めで「理解して、安心して技術を受けられるサロン」というものをつくる努力をしました。そこで24歳の時に大阪に小さなサロンをオープンさせたのが始まりです。

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花上:サロンのオープン後、御社がここまで大きくなるまでに色々とご苦労もあったかと思うのですが。

下村:当時は小さなサロンでしたが、当社のサロンに通ってすっかりキレイになったお客様を見た周りの人達や美容関係の業者の間で、「シェイプアップハウスの技術はすごく痩せるらしい」と評判になり、大変な口コミ効果ですっかり有名になってしまいました。
その間も、教育とサロンの業績は比例するということを肌身で感じ、より教育の重要さを思い知らされたので、エステティシャンの養成を始めました。
CMなどで専門学校のPRをしていくうちに、美容学校にエステの学科ができたり、エステティシャンになりたいと思う人が少しずつ増えてきました。私としては本当にうれしいことでした。きちんとした知識と技術を持ち合わせる有能なエステティシャンをひとりでも多く世に出すことが、今も変わらず私が持ち続ける目標です。

花上:技術力が高いエステティシャンの誕生は、下村さんの努力の賜物と言っても過言ではないですよね。専門学校も今では東京、大阪、名古屋と主要都市に展開していらっしゃいますし。

下村:1990年から行っているエステティシャン養成のノウハウに基づき、2008年から順次学校法人化を行ってきました。2012年4月には大宮、千葉にも開校予定ですので、全部で5校になります。まだまだ学校によって技術レベルがまちまちではあるのですが、仕事にやりがいの持てる子を育てたい、知識が豊富で技術レベルが高く接客のうまい子を育てたい、売り上げにも積極的でお客様にもオーナーにも好かれる子を育てたいと、天才的で夢のようなエステティシャンをつくること、就職しても辞めない人材を育てることが私の使命だと思っています

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下村朱美 Akemi Shimomura

Profile
●1957年生まれ。池坊短期大学 家政科卒。

1982 年、大阪・難波に「やせる専門店 シェイプアップハウス」をオープン。
1986 年には大阪・梅田に日本初の男性専門サロン「ダンディハウス」をオープンし、1990 年、日本ではまだほとんどなかったエステティシャン養成スクールで「ミスパリ エステティックスクール」の前身となる「ミス・パリインターナショナルスクール」を開校。
2000 年、女性専用サロンを「ミスパリ」に変更。
2005 年にはSPA・エステティック業界では世界初となる【世界優秀女性起業家賞】を受賞。
“お客様の喜ぶすべてのことをやろう”を企業理念に、エステ業界の発展に多大なる業績を残し、貢献しつづけている。

現在は、株式会社 シェイプアップハウス 代表取締役、株式会社 ミス・パリ 代表取締役、学校法人ミスパリ学園 理事長を務める傍ら、関東ニュービジネス協議会の理事として、企業家の育成発掘の支援なども行っている。

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