「化粧品原料メーカー、商社の事業展開に迫る」【16】 唐津コスメティック構想立ち上げから参加~ホシケミカルズ(下)
2014.05.15
編集部
ホシケミカルズがOEM戦略に位置付ける全国18の地域に形成された産業クラスターの中で、メンバーとして参加している化粧関連の産業クラスターは現在、青森に加えて沖縄、新潟、佐賀など4クラスターにのぼる。
同社は「これまで行政からの依頼で、産業クラスターに参加している企業への製造依頼や商品企画の提案、クラスター内のアドバイザー要請などを受け参加するケースが多かった。最近では、クラスター自体の立ち上げから参加を要望されている」(専門部署担当者)と語る。
同社がクラスター自体の立ち上げから積極的に参加しているのが唐津コスメティック構想。佐賀県唐津市玄海町を中心にフランスの一大コスメ集積地と同様なコスメ産業クラスターを集積して日本版コスメバレーの一大拠点とするもの。
東アジアでのマーケット戦略拠点として選定した仏の化粧業界団体「コスメティックバレー協会」と唐津市が2013年4月に協力連携協定を結び構想が表面化した。
同構想は①仏企業からの化粧品製造や物流を受託するビジネスマッチングによる国際取引の促進 ②内外からのコスメ関連産業の誘致 ③農商工連携の6次産業化の創出 ④コスメの街作り━などが骨子。
同構想を具現化するため2013年11月に経産省の出先機関や佐賀県、唐津市などの行政と地域団体、地元大学、コスメバレーに関心を示す民間企業で構成する推進組織「ジャパン・コスメティックセンター」(JCC、任意団体)を唐津市に設立した。
唐津コスメ産業クラスター創生に先導的役割を果たした同社は、JCCの理事として名を連ねておりコスメバレーに賭ける期待の大きさを物語る。今年4月末のJCC正会員数は、42社。
JCCは、2014年度の活動方針として仏のコスメティックバレー協会とのビジネス交流を図るため、今年9月と来年2月にも視察団を派遣する。ジェトロの補助事業で商談ミッション派遣に対する地域間産業交流事業「RIT事業」を活用して交流を図り仏コスメ市場の調査も行なう。また、会員提案によるセミナーや勉強会を開催して会員間のビジネスマッチングや6次化ファンドの活用、化粧原料のシーズ調査などを行なう。
同社は「地元の玄海町に町と九州大学が共同で設立した薬草園があり自然由来の原料も豊富に存在する。化粧原料開発の下地は揃っており JCC活動を通じてのビジネスポテンシャルは大きい」と期待を示す。
だが、唐津コスメティック構想を実現し、コスメ集積を形成して行くためには、国内外からの企業誘致が欠かせない。佐賀県では、コスメ関連企業を誘致するため、政府に対して経済特区を申請する方向で検討している。
ともあれ、日本版コスメバレーは、緒についたばかりで、コスメ産業クラスター形成までは、相当の期間を要する。しかし、コスメ産業クラスターに白羽の矢を当て0EMビジネスの収益向上に繋げる同社のクラスター戦略は、原料商社の新手の手法として極めて注目される。
出典: 佐賀県ホームページより抜粋
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