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防腐剤メチルイソチアゾリノンのアレルギー劇的増加

化粧品の防腐剤として使用されているメチルイソチアゾリノンは、現在、欧州の業界団体Cosmetics Europe(欧州パーソナルケア協会)による使用中止勧告や、米国Cosmetic Ingredient Review(化粧品成分審査委員会)による再評価が行われている。このメチルイソチアゾリノンによる接触アレルギーが劇的に増加していることが5月12日、「Contact Dermatitis」誌で報告された。

調査は、2010-12年にベルギーのBelgian Contact and Environmental Dermatitis Groupを訪れた患者6599人のカルテなどを対象に実施された。メチルイソチアゾリノン(MI)とメチルクロロイソチアゾリノン(MCI)を合わせた感作頻度は、2012年には4.5%だった。MI単独では6.0%で、さらに2013年には7.2%へと増加した。主な原因は化粧品の使用による手または顔面の皮膚炎で、患者の平均年齢は49歳、大部分が女性だった。同時に、オクチルイソチアゾリノンへの感作も確認された。

2012年9月21日に同誌オンライン版に報告された、ドイツ・エアランゲン・ニュルンベルク大学の調査では、1998-2009年間のMI/MCIの感作頻度は約2.1%を保っていたが、2011年には3.9%に増大しているため、約5年の間に倍増ということになる。

研究者らは、現在のMI使用中止勧告がリーブオン化粧品のみであることを懸念し、リンスオフ製品の安全濃度も指定すべきとしている。また、MI感作の詳細なモニタリングの必要性も強調された。メチルイソチアゾリノンは、日本では2004年に化粧品への配合が許可されている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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