第一回 韓方化粧品(HBMIC)日本エステティシャン講習会レポート
2012.04.10
編集部
2012年3月、韓国のエステ専門学校や大学の教授としても講師を勤めるキム ジョンヒ先生を招き『第一回 韓方化粧品(HBMIC)日本エステティシャン講習会』が行われた。主催者である㈱エム・アイ・シー代表取締役 樋口進氏は「一時の流行ではなく、定番化するような今までと違う韓方エステを広めて行きたい」と語る。今回はその模様をレポートする。
韓国エステと聞くと、コルギのようなハードなエステを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。だが、キム先生の手技は想像したものとは全く異なっていた。その中で特徴的な部分をまとめてみた。
呼吸を合わせる
キム先生の施術は、まずお客様の呼吸を感じ呼吸を合わせることから始まる。
「エステティシャンの誘導ではなく、お客様の自然な呼吸に合わせてお腹を優しく押さえ、お腹をリラックスさせていきます。これは、内臓を刺激し血流を良くすることにも繋がります」とキム先生。腹筋が固くなっている人は呼吸が短いという。呼吸の回数はお客様の腹筋の強さで決まり、だいたい3~4分で腹筋が開き内臓が開かれる。「フェイシャルでも腹筋からはじめ、デコルテ・鎖骨・胸鎖乳突筋とマッサージして行きます。血流がよくなってから施術を行うと、効果も長くキープすることができるのです」と風船をお腹に見立て練習した。
クレンジングと肌質診断
「リムーバーを使うことを躊躇する方もいますが、ゴシゴシとこすることの方が逆に肌を痛めてしまいます。ポイントメイクを落とした後で、クレンジング( ローション・オイル・クリーム)3タイプの中から、お客様に合わせて選びます」。肌質診断に対しては「洗顔後のナチュラルな肌で、お客様の肌質を診断します。例えば、目の下を軽くつまんで戻りにくい方は水分不足。また、肌を少し伸ばしたところに軽くスパチュラを当て、赤味が長く残る方は敏感肌だと診断できます。“しっかりカウンセリングできる目を持ちましょう”」と見極めるコツを教えてくれた。洗顔に関しても「フォーム(泡)クレンジングを使いすぎると肌が疲れます。本日のモデルさんのように敏感肌の場合、皮膚の薄い頬などに関してはフォームクレンジングを使いません」と良い化粧品でも、正しく使うにはしっかりした知識が必要とのこと。
デコルテマッサージ
「硬いところを強くマッサージするとさらに硬くなってしまいます。摩擦するのではなく、胸の筋肉をゆっくり圧迫しながら胸骨を開いてあげます。優しく呼吸を整えてあげることでリラックスしていただき、その後で脇をポンピングして、フェイシャルに入ります」
呼吸を合わせるとエステティシャンも健康になるそう。キム先生は、お客様に信頼していただき、必要だと思ってもらうことが大切だと考える。「マッサージだけでなく、体のバランスも見ていきます。左右のどちらかの鎖骨が上がっている方は同じ側の骨盤も上がっています。今度レクチャーする機会があれば骨格を下から整える方法を教えます」と話した。エステティシャンは、顔だけの施術ではなく、お客様の体のこと・肌質・健康状態などしっかりとカウンセリングすることでプロとして認められ、信頼関係を築くことができる。キム先生は更に、
「最近は強いマッサージが好まれる傾向にあります。ですが、お客様に“強くして”と言われても、何故だめなのか理論を説明します。そういったところから信頼を得るようにしてください」とも話し、相互の信頼関係の構築が重要だと強調した。
セミナーを聞いた中で感じたことは、“全体的に日本のフェイシャルに比べ、東洋医学の知識を取り入れた、より健康面を考えた施術”だということだ。
キム先生は、5月14日~開催のBWJにも来日! デモンストレーションを行う。
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