女性の消費者の心をつかむためのマーケティング5項目
2015.07.15
国際部
グローバル市場で女性の労働参加の増進により一般家庭の購買力も増加している。女性は自分自身だけでなく、夫や子供の購買決定を担うことが多い傾向にある。マーケティング戦略として、グローバル市場調査会社のユーロモニターは、“女性の消費者をターゲットにする時に考慮すべき5項目”を公式サイトのブログで7月5日、発表した。
同社の2014年のデータ分析によると女性一人当たりの平均可処分所得は男性の3分の2にまで成長しており、より経済的に自立した女性の関心をどのように引くかが重要になっていると指摘。重要な5つのポイントを要約すると以下のようになる。
1.ステレオタイプを避ける
従来“女性らしい”と思われていた可愛い系にとどまらず、女性のエンパワーメントについて考慮したマーケティングを考える。最近、より多くの女性はテクノロジー、エレクトロニクス、スポーツなど男性が得意とする分野に興味を持っている。ユニセックスの製品開発や世代によるジェンダー分析などをより多く採用する。
2.ワーク・ライフ・バランスの重視
労働者、妻、母などマルチタスクな生活を営む女性にとって、時間の節約と仕事と私生活のバランスを実現する製品、機会への潜在需要は大きい。今後の見通しとして、人口の高齢化に伴い高齢になった両親の世話のための利便性を追求した製品開発、忙しいスケジュールの中で簡単に楽しめる娯楽、複数の製品やサービスを提供するワンストップの小売店舗など市場開拓の可能性が見込まれる。
3.インフルエンサー
より顕著になってきている傾向は、女性がインフルエンサーになっていること。女性がブログなどの提言を共有することで、その他の女性の購買決定を操縦することが多くなってきている。ユーロモニターは、世界のインターネットの利用者数は、2014年の27億人から2030年までに45億人に達すると予測している。企業はソーシャルメディア上で女性消費者の意見をより効果的に活用する必要がある。
4.倫理的消費
先進国、新興国を問わず多くの女性は倫理的な気風と透明性を支持するブランドに対して肯定的である。企業は、商品開発のみならず、CSR(企業の社会的責任)と持続可能性を追求することも重要。
5.単一の女性消費者のモデルを避ける
女性の消費者市場が大きく、多様であることを覚えておくことが必須。国や年齢層に沿った需要の精密な分析が必要になる。世界の女性人口統計から4つの消費者グループを考慮する。ベビーブーマー(1946年〜1964年生まれ)、独身でプロフェッショナルな女性、中国の女性(2014年では世界最大の女性の消費者市場)、インドの女性(2025年までには中国を抜いて世界最大の市場に成長予測)の志向にあうマーケット戦略を打つ。