【連載】化粧品各社のイノベーション研究【2】ハーバー研究所②~美の伝道師ネットラジオで活躍~
2015.11.17
編集部
ネット通販の組織再編や情報の共有化を推進するハーバー研究所は、動画サイトで社員が商品コンテンツを詳しく説明する一方、会員向けカタログをすべてパソコン画面やスマートフォン上で見ながら購入できるようにした。
また、同社の取締役で美容プロデュ―サーの廣森知恵子氏(写真)がネットラジオに出演して美容をテーマに饒舌な口調で語るなど美の伝道師としてネット戦略に一役買っている。
ネット動画での社員の商品説明は、サメの肝油から抽出した美容成分「スクワラン」(純度99・9%)の機能や作用をはじめ、基礎化粧品の特性などについて詳しく説明。同時に、開発者に商品設計や処方などの開発秘話なども織り込みながら社内会議でのプレゼンテーションと同様の形式で語ってもらうなどコンテンツを充実。
最近では、海外に住んでいる顧客会員に海外生活にまつわるエッセーを投稿してもらい会員同士の交流を促す取り組みも始めた。
このような動画本数は、すでに150本以上にのぼる。また、平均70ページにのぼる会員向けカタログ誌(通販)をすべてパソコン画面上やスマートフォン上で見られるようにし、購入できるようにした。
こうしたネット戦略で、同社のサイトへの閲覧数は、20歳代から30歳代の若者を中心に関心を集めるなど様変わりの状態。
ここへきて1日10万件以上の閲覧数を数えるなど競合他社に比べて出遅れていた若者を囲い込んだネット販売での巻き返しを実現している。
一方、2014年10月から放送していた独自のインターネットラジオ番組「ハーバービューティプロデューサー廣森知恵子のHABA NICE DAY!」を2015年10月より全国放映に乗り出している。
全国コミュニティFM約50局で放送する「美」「旅」「食」など女性達をテーマとした新番組のコーナーのひとつとして毎週日曜12時15分~12時29分の14分間、放送しているもの。
全国のコミュニティFMを使って美容や化粧品などについて放送することで、地元に根差したコミュニケーションを図り合わせて女性の美しさを提案しながら、具体的なスキンケアやメイクをはじめ食事、生活習慣にいたるまで美にまつわる様々な情報を伝えて行くことでハーバー化粧品の訴求力向上に繋げる狙い。
同社の美容プロデュ―サー廣森知恵子さんは、外資系化粧品メーカーを経て1999年ハーバー研究所入社。美容業界のキャリアは、37年になる。これまで、同社の美の伝道師としてカウンセリングやセミナーなど3万人以上の女性の肌を見つめ続け美のエキスパートとして自ら編み出した独自の美容法は人気が高い。NHKカルチャーや市民大学の講師も務める。