うつ病で体内の酸化が進む
2016.03.3
国際部
スペインのグラナダ大学は、うつ状態にある人では体内の酸化が進んでいるという研究結果を3月1日、同大学のプレスリリースで伝えた。研究の詳細は「Journal of Clinical Psychiatry」誌に掲載されている。
論文の筆頭著者はグラナダ大学博士課程に在籍するSara Jiménez Fernández氏。今回の研究では、うつ病患者の治療前後で体内の酸化レベルが変わるかを調査した既発表の29の論文(対象患者3691人)のデータを用いてメタ分析を実施。尿酸や亜鉛などの抗酸化物質および酸化ストレスのバロメーターであるマロンジアルデヒドのレベルを比較した。
その結果、うつ病の一般的な治療後、患者は健常者と変わらない水準にまでマロンジアルデヒドのレベルが減り、尿酸および亜鉛のレベルも正常水準に回復していた。 活性酸素に対抗する酵素と言われるスーパオキシドジスムターゼだけは回復していなかった。
研究者らは、うつ病は酸化ストレスにも影響しているため、精神疾患というだけでなく全身性疾患とみなされるべきとしている。