【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【2】ランクアップ① ~10年連続右肩上がりの成長~
2016.07.11
編集部
創業者の女性経営者がトップに就き、女性スタッフが全社員(42名)のうち、約9割強を占める化粧品メーカー株式会社ランクアップ(東京都中央区、社長岩崎裕美子氏)の売上高が、創業以降、10年連続で増収基調で推移するなど躍進ぶりが目立つ。
岩崎社長は、2005年6月に広告代理店の取締役から脱サラして起業を興した。「広告代理店の営業マンとして深夜に帰宅するケースが多く、肌荒れに悩んでいた。また、使用する化粧品も石油系界面活性剤が配合されて肌荒れを起こす」との考えから、化粧品分野に参入して肌にやさしい化粧品開発を目指した。
しかし、起業化したものの化粧品開発の知識がないことから、国内の化粧品メーカーを訪ね歩いて共同開発を依頼。やっとの想いで「自分が実感できる肌を変え、人生を変える化粧品」の開発を実現した。
「肌を変え、人生を変える化粧品」を意味する自社ブランド品を「マナラ化粧品」と命名。その第1号商品として「ホットクレンジングゲル」(写真)を開発し、2006年4月に通販チャネルに乗せて販売を始めた。
「ホットクレンジングゲル」は、温感効果で毛穴を開きやすくしたクレンジング・メイク落とし。特徴は
①セラミド、ローヤルゼリーエキス、ヒアルロン酸、スクワランといった多彩な美容成分を配合し乾燥しない
②6種類のコラーゲンサポート成分で肌にハリと弾力を与え、ハイドロキノン誘導体、油溶性ビタミンC誘導体が透明美肌へと導く
③1本でしっかりとメイクを落とすためダブル洗顔が不要
④ 着色料、合成香料、鉱物油、石油系界面活性剤、エタノール、パラベン、紫外線吸収剤を一切せず肌にやさしく安全・安心
⑤ハチミツのようなとろみのある温感ゲルとカプセル化したパパイン酵素が毛穴汚れを取り除く など。
2016年3月からは、通販に加えて全国のプラザ、ロフトなどのバラエティショップでも卸販売を始めている。また、昨年12月末には、海外初となる子会社を台湾(台北市)に設立した。今年5月から台湾で、主力アイテムの「ホットクレンジングゲル」の通信販売を開始した。
「ホットクレンジングゲル」を最初に市場投入した2006年4月から2016年4月までの10年間の累計販売本数は、約600万本に達するなど大ヒット商品となっている。また、創業以降、10年連続で増収を実現するなど右肩上がりで推移。売上高推移は、2014年9月期59億円、2015年9月期75億円にのぼる。2016年9月期は、89億円の売上高を見込んでいる。