米エスティローダー社は、2016年度の決算報告で増収増益を8月19日、発表した。年間売上高は前年比4％増の112億6000万ドルで、純利益は前年比2%増の11億1000万ドルだった。プレステージ化粧品の売上の強みに加え、プレステージブランドのフレグランス部門の売上が堅調に伸びた。新興市場の開拓のほか、消費者の嗜好のシフトに沿った商品開発、オンラインチャネルや専門マルチ小売チャネルへの投資を強化したとしている。
地域別で業績を比較すると、アメリカ市場は前年比4％アップの47億ドル。ほぼ全てのブランドでの売上増にトム・フォード、ジョーマローン、スマッシュボックスの二桁成長が牽引した。
欧州・中東・アフリカ市場は前年比7％アップの43億ドルと好調だった。中東、北欧、インド市場が二桁成長と貢献したほか、ヨーロッパ市場ではイギリス、ドイツ、イタリアでビジネスが安定していた。免税店などトラベルリテール市場の売上も販売利益に大幅に貢献した。
アジア太平洋地域は外国為替の不利な換算影響を受けたため、年間売上高はわずかに減少して21億7000万ドル（前年：21億8000万ドル）だった。オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンでは二桁成長。日本、韓国、中国でも安定した業績結果が得られたが、香港市場での中国人観光客の減少がエスティローダー、クリニーク、ラメールなどの売上に負の影響を与えたと報告。
