青しそ抽出液の美白作用メカニズムに期待 バスクリン研究
2016.10.13
編集部
株式会社バスクリン(東京都千代田区)は、シソが「美白」に関与する“表皮細胞におけるメラノソーム取り込み阻害作用”を有し、その活性成分がロスマリン酸であることを見出し、ロスマリン酸を高含有する独自の青しそ抽出液を開発した。
同社では生薬研究の知見を活かし、薬用植物由来の「美白」に有用な素材のスクリーニングおよび作用メカニズムの解明を目的とした研究とともに、素材の選抜、抽出方法などの検討も重ね、より有用な抽出液の開発を目指したほか、既存の美白有効成分との相乗効果の有無についても検討を行った。
その結果、以下の2点が明らかとなった。
(1)200種を超える植物抽出液のうちのいくつかが、「美白」に関与する“表皮細胞におけるメラノソーム取り込み阻害作用” を有することを見出した。
その中で最も効果の高かった植物はシソで、メラノソーム取り込み阻害作用に関与するシソ中の主な活性成分はロスマリン酸であることを明らかにした。
素材の選抜および抽出方法の検討を重ね、ロスマリン酸を高含有する独自の青しそ抽出液を開発。青しそ抽出液は、外部刺激による PLCγ1 のリン酸化を抑制し、細胞質内の Ca2+濃度の上昇を抑え、細胞運動を制御することにより、メラノソームの取り込みを抑制していると考えられる。
(2)青しそ抽出液と既存の美白有効成分であるアルブチンを併用することで、 “表皮細胞にメラノソームを届けない作用”が増強され、シミへの改善効果が期待できることが独自の研究で明らかになった。
これらの成果は、9月24日、25日に開催された日本生薬学会第63回年会にて報告された。
- 参考リンク
- 株式会社バスクリン