【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【30】バーネットインタ―ナショナル② ~化粧品、水、エコビジネスなど複合事業推進~
2016.11.15
編集部
バーネットインタ―ナショナルが国の補助金制度やキャピタルからの投資、第3者割当増資などの資金手当ては、大阪府立大の新規酵素処理技術を用いて廃棄物として処理されている「オカラ」に代表される豆類廃棄物をアミノ酸や糖類、生活習慣病抑制効果をもつ生理活性物質を含む化粧品や健康補助食品などの基礎原料に再利用する技術を実用化して事業化を図り、新事業の創生を図る目的で設立した。
こうした資金を活用して「酵素ストリッピング法」と呼ぶ独自製法でオカラを可溶化処理し、有効成分を抽出することに成功した。
この製法により得られた大豆成分を「ソイファン」と名付け、純植物性機能材料として食品や医薬品への応用開発に取り組んだ。
その結果、ソイファンを使った基礎化粧品「絹衣」シリーズ(写真)やサプリメント、ドリンク剤などを相次いで開発し、OEMで製造・販売した。ソイファンの基本特許は、2007年12月に取得している。
「絹衣」シリーズは、大豆のエコ素材オカラから大豆皮下成分や胚芽に含まれる有効成分を抽出した機能性新素材「ソイファン」やこれを増強・補完する植物性成分を配合した保湿性、抗酸化性に優れた基礎化粧品。OEM生産に加えて、2004年6月にオンラインショップや百貨店などで販売を始めた。現在までに「絹衣」シリーズは、スキンローション、ミルクローションなど6品目を開発して販売している。また、高級美容液クリーム「エターナルレスキュー」も商品化し、販売している。
現在、同社が行っている事業は、バイオテクノロジーや化粧品、健康食品などのバイオ事業をはじめ、水事業や省エネ・省資源のエコ事業、環境・エコ等に関わるコンサル事業など4事業を主体に事業展開している。
これまで、バイオ事業を中心に事業展開してきたが、2010年から給水器や飲料水事業に力を入れ化粧品事業に特化した事業内容とはなっていない。
水事業など新しい事業への積極な展開が、複合事業による収益向上や株式公開への計画を誘発した。一時期、第3者割当増資時に株式公開を打ち出したが、今ではまったく意気消沈の体。
投資、第3者割当増資など他人資本の経営参加で投資の見返りを要求する株主との間で、軋轢が生じていないか、収益の向上と合わせて気になるところだ。