【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【7】美容漢方薬局SINSEIDO、漢方薬とリンパケアの両輪で美と健康を実現(上)
2017.01.4
編集部
株式会社新成堂ホールディングス(神奈川県横浜市)が展開する美容漢方薬局SINSEIDO(東京都渋谷区)では、患者の体質・症状に合わせたオーダーメイドの漢方とリンパケア(体液循環改善ワーク)によるサービスを提供している。内側からの漢方薬と外側からのリンパケアによる両輪により美と健康を実現。患者からは「疲れにくくなった」「体温が上がった」「肌質が改善した」など多くの喜びの声が上がっている。
同店は、美容専門の漢方薬局として2016年に開設。新成堂傘下の薬局としては、漢方を初めて取り入れた初の店舗となる。客層は30~50代の女性がメインで、仕事をしている女性が8割を占める。患者の主な来店目的は下半身を中心としたダイエット。遠方から訪れるお客もいるほどだ。
完全予約制なので、まずはWebサイトあるいは電話で予約する必要がある。来店後は、問診票を基にカウンセリングを行い、患者に合わせた漢方薬を試飲してもらい、30分程度様子をみてもらう。薬剤師でリンパ漢方セラピストの木村友泉氏によると、「患者の中には体温が上がっていくのを体感してもらえる」という。基本的には、最初は2週間分を処方して患者の様子をみながら、フォローしていくことになる。
同店の特徴の一つは、漢方薬を複数組み合わせる“合方”を採用している点。これで、患者の体質・症状に、より合致した処方を実現できる。例を挙げると、加味逍遥散や加味帰脾湯などをベースにして、四物湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散などを組み合わせるといった具合だ。あるいは阿膠や高麗人参、田七などの単味を加えたりする。「既存の薬局にはないオリジナルな処方を提供しており、非常に高い効果を上げている」(木村氏)。
使用している漢方薬も、品質を重視している。例えば“桂枝”というと、日本では一般的に“桂皮”が用いられているが、古典医学書にある従来の処方に従って、“桂枝”を採用することで処方本来の薬効を引き出すことにこだわっているメーカーの製品を採用している。また、苦いイメージのある高麗人参をとってみても甘味があり、患者からは「思ったより飲みやすい」と好評で、従来の「飲みにくい」「臭い」などといった漢方のマイナスイメージを払拭してくれる薬剤を揃えている。
こうした品質重視の処方と独自の合方により、「漢方薬を飲んだ翌日から、どれだけ歯を磨いても取れなかった口の粘着きが取れた」(木村氏)と、患者からの驚きの報告もある。漢方薬は効くまでに時間がかかると言われもするが、患者の「証」にぴったりマッチした処方が提供できれば、即効性もあると言える良い症例だ。
また、「貧血が改善した」「目の充血が減った」「PMSが改善した」「便秘が解消した」などのほか、面白いところでは「急にやる気がでた」「仕事運が上がった」などのうれしい声もあり、モチベーションなどのメンタル面でも漢方は大きな効果が期待できる。
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