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父親の葉酸サプリ過剰摂取が子どもに悪影響

父親の栄養が子孫の精神的健康に影響するという研究が4月4日、ドイツの神経変性疾患センター(DZNE)から発表された。詳細は同日「Molecular Psychiatry」オンライン版に掲載された。

DZNEの研究者らは、オスのマウスに葉酸、メチオニン、ビタミンB12が豊富な食事を与えた場合、その子孫の記憶能力がうまく機能しないことを明らかにした。食生活はゲノム内のエピジェネティックパターンに影響を与え、このリプログラミングは精子を介してある程度次世代に引き継がれる。DZNEで研究グループを率いるDan Ehninger博士は、「長い間、これらの父系の遺伝子の後成的修飾は、精子と卵細胞の融合後に完全になくなる推定されていた。しかし、父性DNAメチル化の一部がこの過程を生き延びていることは、現在明らかとなっている」と述べた。

動物実験によるものではあるが、妊娠前の母親の食生活や生活様式だけでなく、父親が曝露されている環境要因によっても子どもの発達が影響を受けるという証拠は蓄積されている。例えば、オスのマウスに脂肪豊富なエサを与えれば、子孫は糖尿病の傾向をもつ。食餌誘発性のDNAメチル化によって遺伝子の発現が妨げられることが、子孫への影響の原因の一つとして挙げられている。研究者らは、栄養サプリメント、特にメチル基供与体となる葉酸の過度の摂取が次世代に望ましくない影響を及ぼす可能性があることを示唆した。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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