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人工甘味料は太りやすいからだを作る?

低カロリー甘味料は脂肪の蓄積を促進するという研究発表が4月3日、フロリダ州オーランドで開催された第99回内分泌学会年次総会(ENDO 2017)で発表された。

ジョージ・ワシントン大学医学・内分泌学部Sabyasachi Sen助教授は「糖尿病患者の多くは、低カロリー甘味料を砂糖の代替品として摂取したいと考えているが、これらの甘味料が代謝障害を促進するという科学的証拠が増えている」と述べた。Sen助教授らは、ヒト脂肪組織から採取した細胞を用いて、低カロリー甘味料スクラロースの影響を試験した。その結果、低カロリー甘味料の消費量が多い人々(1日に4缶のダイエットソーダに相当)の血中濃度に類似した0.2ミリモルのスクラロース投与量では、マーカーである脂肪生成と炎症関連の遺伝子発現が増加、さらに1.0ミリモルでは細胞中の脂肪滴の蓄積の増加が見られた。

さらに、低カロリー甘味料(スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム)を摂取した肥満者4人、正常体重者4人の参加者を対象にした試験では、低カロリー甘味料摂取のない人に比べ、細胞へのグルコース(糖)輸送の増加および脂肪生成に関係する遺伝子の過剰発現を見出した。低カロリーの人工甘味料は身体の代謝に影響しており、これらの代用物の大量摂取は脂肪蓄積を促進する可能性があり、特に肥満者の場合はこれまでの予備研究で示唆されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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