産学官連携による化粧品等の共同開発成果産学官連携による化粧品等の共同開発成果 ~岩手大とエリデン化粧品が琥珀エキス配合のスキンケア開発~(中)

2017.12.6

特集

編集部

地場化粧品の開発ベンチャー「株式会社ラピブレ」(青森県弘前市)は、弘前大学のセラミド研究から生まれた新素材「プロテオグリカン」を化粧品素材として配合した「ラヴィ プレシューズPG クリーム」を商品化した。

青森県全体で年間約1万5000トン排出されるリンゴジュース残さ(搾りかす)から、保湿効果のあるエキスを抽出して再利用し、合成香料を使わずりんご果実自体に含まれる「リンゴ果実水」を天然香料として添加。合わせて美容成分「プロテオグリカン」を配合することで化学物質の使用を抑え、保湿効果をアップした「ラヴィ プレシューズPG クリーム」の開発に繋げた。
同商品は、第一弾の商品「オータム・レディ・スプレー」に次ぐ第2弾の商品。同社では、リンゴ果実水を天然香料として採用することで、りんごそのものの香りを損なうことなく、リンゴ王国青森の高品質地場化粧品として打ち出すことができた」という。現在、クリーム、ローションなど7品目を商品化し通販、サロン店等で販売している。

一方、岩手大学農学部の研究グループは、久慈産琥珀の中に抗アレルギー作用のある新規物質「クジガンバロール」を発見し、論文発表した。
この発表に着目したエリデン化粧品株式会社(東京都江東区)は、岩手大学から技術移転を受けて「琥珀エキス」を配合のスキンケア化粧品「ドナコ」シリーズ(写真)を開発し、2016年1月にクリーム、化粧水、美容液など5アイテムを商品化して市場に投入した。
同シリーズは、防腐剤、合成香料、合成着色料、エタノールを一切使わず、植物を起源とする琥珀や大豆などの天然由来成分を配合、抽出物を内包した人工膜のカプセル「リポソーム」により成分を角層に効率よく浸透させ、素肌が本来持っている力に働きかけて艶やかで潤いのある肌質へ導く。現在、通販中心に販売している。
琥珀エキス内包リポソームを配合した「リンクルリペアクリーム」の効能評価試験は実施済み。

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