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トレハロースでディフィシル菌感染症増加

ヒトの腸内にも存在するクロストリジウム・ディフィシル菌(Clostridium difficile)関連疾患が、食品添加物のトレハロースと関連しているという研究が1月3日、米テキサス州にあるベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)からプレスリリースされた。詳細な研究は「Nature」に掲載されている。

ディフィシル菌は、抗菌薬関連下痢症(抗菌薬を服用した際に起こる下痢症状)、偽膜性腸炎などの原因として知られている。この ディフィシル菌関連疾患の報告は近年増加しており、先進国では院内感染の原因菌として最も一般的なものの一つという。米国では2015年に約50万人のディフィシル菌感染症が確認され、高齢者を中心に2万9000人が死亡したと推計された。トレハロースは自然界に存在する二糖の一種で、トウモロコシやジャガイモのでんぷんを原料に人工的にも大量生産されている。上品な甘味、高い保湿力、たんぱく質保護作用を持ち、現在では食品の甘味料、化粧品の保湿成分、医療分野では移植手術などにも広範囲に利用されている。

世界的にも最も多く観察されたクロストリジウム・ディフィシレ菌のRT027とRT078について調査した結果、これらの菌は、ほかの菌が必要とするものよりも約1000倍薄いトレハロース濃度でも生育することが確認された。RT027菌を与えたマウスを使った実験では、餌にトレハロースを混ぜたマウスの死亡率が高いことが確認された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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