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痩せられないのは環境中の化学物質PFASのせい?

環境中に存在する化学物質PFASは、体重制御を妨げる可能性があるという研究結果が2月23日、米国ハーバード大学公衆衛生大学院からプレスリリースされた。研究の詳細は「PLOS Medicine」オンラインに掲載されている。

フライパンのフッ素加工などにも利用されている、フッ素化合物のパーフルオロアルキルスルホン酸(PFAS)は、過去60年以上にわたって使用されており、工業地帯、軍事基地、廃水処理場の近くで飲料水を汚染しているとした研究も報告されている。また、飲料水や食物連鎖に蓄積し、体内で長時間持続するという特徴を持ち、がん、ホルモンバランス、免疫不全、高コレステロールおよび肥満との関連が指摘されている。

今回の研究は、肥満予防を研究した臨床試験のPOUNDS LOSTに参加した肥満者621人のデータを分析。参加者の血液中のPFASの量と体重減少または時間の経過との関係を調べた。参加者は、試験最初の6カ月間に平均6.4キロ体重減少させたが、その後18カ月間に2.7キロのリバウンドを記録した。リバウンドが最も多かった人はPFASの血中濃度が最も高く、女性で多かった。PFASの血中濃度が最も高い女性層(上位3分の1)の平均体重は、下位3分の1の女性層より1.7~2.2キロ体重増加していた。さらに、PFASの血中濃度が高いほど安静時の代謝率が低下することが明らかになった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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