ステロイドに代わる顔面皮膚炎への有望な新保湿剤

最新商品

2018.02.27

国際部

顔面皮膚炎(facial dermatitis)に対する新しい保湿剤の試験結果が2月6日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。さまざまな原因で発症する顔面皮膚炎は慢性で再発性の高いものが多い。また、頻用される局所コルチコステロイド療法は症状の悪化などを招くという問題があった。

今回の試験は、皮膚刺激の感受性調整剤としての4-t-ブチルシクロヘキサノールを含む保湿剤にマメ科の多年草カンゾウの一種Glycyrrhiza inflataから調整したリコカルコンAを抗炎症成分としたフェイシャルモイスチャライザーと、ステロイドの0.02%トリアムシノロンアセトニド(TA)の治療効果を比較した。対象者は軽度から中等度の顔面皮膚炎を有する80人とした。最初の2週間は、試験用フェイシャルモイスチャライザーまたは0.02%TAで1日2回の治療を行った。続く2週間は、全ての患者にモイスチャライザーのみを使用した。治験責任医師におよび参加者による評価は試験前、第2週および第4週に実施された。

その結果、フェイシャルモイスチャライザーおよび0.02%TAとも、医師の臨床評価、皮膚水分、経表皮水分蒸散および患者の評価した視覚アナログスケール評価に関して、ベースラインと比較した2週間および4週間時点で統計的有意な改善を示した。参加者の主観評価では、0.02%TAのほうがより早く症状を改善したとされた。

#

↑