【連載】大手化粧品会社の研究⑯ヤーマンの会社研究 ~中国人観光客中心に免税店などで美顔器販売が好調~
2018.04.9
編集部
美容家電大手のヤーマン株式会社(東京都江東区)は、主たる事業として家庭用美容健康機器(フェイスケア・ボディケア)及び化粧品の研究開発・製造・仕入販売等の事業を展開している。
創業は、1978年でヤーマンリミテッドを設立したのが始まり。1981年に現社名に変更。
1998年に通信販売業者との直接卸売取引を開始。2012年にジャスダック市場、東証2部市場を経て2012年、東証1部に上場した。
現在、同社と連結子会社2社(LABO WELL株式会社、YA-MAN U.S.A LTD.)の計3社でグループを構成。また、家庭用美容健康機器の販売は、通販、店販、直販、海外の4部門(カテゴリー)で行っている。
同社の前期(2017年4月期・連結)におけるカテゴリー別売上高は、通販部門がショッピング専門チャンネル向けで苦戦したものの、その他販売が堅調に推移したことで、売上高は前期比2.3%増の46億6200万円となった。店販部門は、家電量販店向け卸売事業が安定したことや免税店向け卸売事業が好調に推移したことを要因に売上高が前期比8.3%増の69億円となった。直販部門は、新聞、雑誌、ウェブ等を用いた個人顧客への販売に力を入れたものの、売上高は前期比10.1%減の57億5900万円と減収になった。海外部門は中国市場の販売が急増し、売上高は前期比235.2%増の25億1100万円と大幅増収を実現した。この結果、同期の売上高は199億6900万円、営業利益35億円、利益22億6900万円となっている。
今期(2018年4月期)の業績予想も前期に続いて好調をたどる見込み。同社は、2017年11月に今期の業績を上方修正した。
インバウンド(訪日外国人)需要を追い風に、主力の美顔器や痩身機器の販売が伸びること。同時に、海外事業が好調なことが上方修正の理由。
売上高は、従来予想を13億円強引き上げて前期比11%増の220億円を見込む。中国人観光客を中心に免税店などで美顔器や痩身機器が好調に売れていることなどによる。
営業利益は31%増の45億円と、従来予想を約9億円上回る。好採算の海外事業が収益を下支えする。特に中国のネット通販最大手アリババ集団の通販サイトで販売が拡大していることによる。販売数量の伸びで生産コストが減少したことで、今期の売上高営業利益率は21%と前期比約3ポイント改善する見通し。