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脂肪酸結合タンパクが真皮にあるコラーゲンの減少に関係

脂肪酸結合タンパク「FABP5(fatty acid binding protein5)」について研究を行ってきた株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は25日、「FABP5」が真皮にあるコラーゲンの減少メカニズムに関係していることを発見したと発表した。これにより、皮脂量の増加による毛穴の目立ちや毛穴周辺にあるコラーゲンの減少を確認することが期待できるとしている。

肌の悩みの一つである毛穴が目立つことは、毛穴で産生される過剰皮脂の量と関係する。また、同じく過剰皮脂は、尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因となる。

そこで、ニキビの炎症で増加するタンパク質の一つである「FABP5」に着目し、皮脂量と「FABP5」量の関係性について調べた。その結果、皮脂量が多いほど、「FABP5」量が多くなることがわかった。すなわち、皮脂量が多いほどタンパク質が分泌され、毛穴が目立つことにつながるのではないかと考えた。

「FABP5」は、皮膚中の脂肪酸に結合して働くことが知られている。脂肪酸は、毛穴で産生される皮脂が皮膚常在菌によって分解されてできる物質。そこで、次に脂肪酸と「FABP5」の産生の関係について調べた。

表皮角化細胞への刺激となるLPS(リポポリサッカリド)と脂肪酸を添加して細胞を培養すると、「FABP5」量の増加が見られた。また同時に、コラーゲンを分解して表皮と真皮の境界部分にある基底膜を破壊させる「MMP9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)」も増加することがわかった。

そこで次に、「FABP5」とコラーゲン分解の関係性を調査。線維芽細胞に「FABP5」を添加すると、コラーゲンを分解する酵素の産生に関わるMMP1遺伝子が増加した。また、Ⅰ型コラーゲンの合成に関わるCOL1A1遺伝子の減少も認められ、「FABP5」がコラーゲンの減少に関わることがわかった。

これらの結果より、皮膚の皮脂バランスが崩れて脂肪酸が増えると「FABP5」の量が増え、コラーゲンが減少することがわかった。コラーゲンは、毛穴を維持するのに必要なもの。「FABP5」の量が増えることで、コラーゲンが減少し、毛穴が目立つ原因の一つとなる可能性が考えられるとした。

今回の研究成果は、日本皮膚科学会年会(2018年5月30日から6月3日開催)にて発表した。

今後は、皮脂由来の炎症によるコラーゲンの減少を防いで毛穴開きを目立たなくする目的で、「FABP5」の量を調整する成分を開発し、今後発売するスキンケア製品に活かして行く考えだ。

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