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「ミトコンドリアトランスファー」で肌細胞の“老化度”が改善

ミトコンドリアトランスファー(ミトコンドリア輸送)が皮膚線維芽細胞に与える影響について研究を行ってきたロート製薬株式会社(大阪府大阪市)は31日、皮下組織にある「脂肪幹細胞」のミトコンドリアが真皮の線維芽細胞に輸送されることで、線維芽細胞の老化度が改善することを世界で初めて実証したと発表した。

研究では、薬剤で老化処理した線維芽細胞を単体で培養、あるいは健常な脂肪幹細胞と共に培養(=ミトコンドリアトランスファーが起こる条件)した老化処理線維芽細胞の、老化マーカーであるβ-ガラクトシダーゼ活性を測定した。

この結果、ヒト線維芽細胞に酸化ストレスを与えると細胞は老化し、さらにミトコンドリアにはダメージが蓄積され、細胞の機能が低下。しかし、健常なミトコンドリアを持つ脂肪幹細胞からミトコンドリアトランスファーが起こると、老化した線維芽細胞の老化度が改善することを実証した。

また、脂肪幹細胞のミトコンドリアを緑色に染色し、線維芽細胞を赤色に染色。その2種の細胞を共に培養後、蛍光顕微鏡で撮影し、赤色の中に緑色が見える細胞(=脂肪幹細胞のミトコンドリアが線維芽細胞に移った細胞)の割合を計測した。

これにより、ミトコンドリアトランスファーを促進する成分の組み合わせを検討したところ、「プルーン分解物とアロエベラ葉エキス」の組み合わせでその効果を発見した。

今回の研究により、細胞内のミトコンドリアは紫外線や加齢、ストレスにより常にダメージを受けており、その機能の改善にミトコンドリアトランスファーは大きく寄与することがわかった。今回発見した成分の組み合わせ(プルーン分解物とアロエベラ葉エキス)を取り込み続けることで、ミトコンドリアトランスファーを継続的に促進させ、紫外線や加齢で老化した肌細胞の回復に有効であることが期待できる。

今回の成果は、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)ミュンヘン大会2018(9月18~21日開催)で発表する予定だ。

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