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低酸素環境での毛乳頭細胞培養が毛髪誘導性促進

低酸素環境が毛乳頭細胞の毛髪誘導性を改善したという研究結果が1月31日、「British Journal of Dermatology」オンラインに掲載された。毛髪の再生および形態形成において主要な役割を担う毛乳頭細胞の毛髪誘導性の促進には、大きな関心が寄せられている。

今回の研究では、毛乳頭細胞への低酸素処置による細胞分裂促進および毛髪誘発作用を検討し、毛乳頭細胞の低酸素誘発性刺激の機序を検証した。低酸素状態はAktリン酸化および下流経路により毛乳頭細胞を有意に増殖させ、老化を遅延した。また、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ経路を通じて毛乳頭細胞の増殖因子分泌の上方制御が認められた。マウスを用いた試験では、低酸素状態での前処置を受けた毛乳頭細胞は休止期から成長期への転換を誘発し、毛包再構築実験において毛包の新生促進が観察された。注入されたGFP標識毛乳頭細胞は毛包の外毛根鞘に移動し、低酸素環境による前処置により毛乳頭細胞の生存および移動の増加が見られた。低酸素誘発性刺激の機序を検討した結果、活性酸素種(ROS)が主要な役割を担うことが明らかになった

これらの結果により、低酸素環境での毛乳頭細胞培養は酸素正常状態を上回る優越性があり、細胞療法における毛乳頭細胞産生の新たな解決策であることが示唆された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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