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社会的地位が高いほど化学物質汚染曝露リスクが高い

社会経済的地位が高い家族は化学物質にさらされるリスクが高いという研究の抄報が513日、スペインのBarcelona Institute for Global Healthからプレスリリースされた。研究論文は「International Journal of Hygiene and Environmental Health」オンラインに掲載されている。

ヨーロッパの6つの出生コホートのデータから母子のペア1301組を対象とした。妊娠中の母親とその子供(612歳時)の血液サンプル中の41種の汚染物質の曝露を調査した。汚染物質は、有機塩素化合物(OC)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、ペル およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)、金属、フタル酸代謝物、フェノールなどが含まれた。その後、数種の社会経済的地位(SEP)指標(教育、雇用状態および家族の豊かさの尺度など)を用いてこれらの汚染物質バイオマーカーを分析した。

その結果、社会経済的地位が高いほど、妊娠中の汚染物質(OCPFAS、水銀、ヒ素、およびビスフェノールAなど)曝露が高いことがわかった。同様に、小児期のOCPFAS、水銀、ヒ素、およびビスフェノールAの濃度もより高い社会的地位のグループで高かった。逆に、妊娠中のカドミウム曝露と小児期の鉛およびフタル酸代謝物への曝露は、SEPが低いほど高かった。複数の汚染物質曝露を表す主成分は、SEPと同様の関連を示した。この結果について研究者らは、社会経済的地位の違いで生じる食事、喫煙、および化粧品などの消費者製品の使用の違いが一因である可能性を上げている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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