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ほくろと皮膚がんを見分けるスマホアプリ、精度は低い

皮膚がん疑い病変の画像を基にがんリスクを評価するスマートフォンアプリの精度および妥当性をシステマティックレビューで検討した結果が2月10日、「BMJ」オンラインに掲載された。

6個のスマホアプリを検証した研究9件(病変画像1132枚)を対象に、システマティックレビューを実施した。研究は小規模、方法論的質が低い、患者のリクルートメントが選択的なため評価不能な画像の発生率が高い、また検証方法の違いが大きかった。病変選択と画像撮影はスマホ保有者ではなく医師が行っていた。欧州指令に適合のCEマークを取得しているアプリは2個で、ダウンロード可能だった。そのうちの1つ、SkinScanは1件の試験で検証が行われており、悪性黒色腫検出における感度は0%、特異度は100%だった。もう1つのアプリSkinVisionは2件の研究(悪性病変252個、悪性前病変61個)で評価され、悪性または悪性前病変検出における感度は80%、特異度は78%だった。研究3件で、専門家の推奨と比較検証したSkinVisionの精度は低かった。

既存のアルゴリズムに基づく市販のスマホアプリの皮膚がん検出の信頼性は低いことが分かった。研究者らは、現行のCEマーク取得プロセスでは利用者の保護が不十分であると懸念している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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