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ニキビへの新しい局所ゲル製剤:予備研究報告

尋常性ざ瘡(ニキビ)への新しい局所治療薬の有効性と安全性を試験したイタリアの研究者らによる結果が9月1日、「Giornale Italiano di Dermatologia e Venereologia」オンラインに掲載された。

今回の2か月間の前向き研究は、University of Federico II Naplesの皮膚科ユニットで実施された。新しく開発された製剤は、単剤で使用され、カプセル化レチノール、抗菌ペプチド(BIOPEP-15)サリチル酸、グリコール酸およびヒドロキシピナコロンレチノエートを組み合わせた局所ゲルだった。グローバルアクネグレーディングシステム(GAGS)以下の顔面軽度にきびを有する14-30歳までの25人の患者を対象に、ゲル製剤を毎日1回、夕方に8週間塗布した。評価はVISIAカメラシステムによるニキビ病変の数、グローバルアクネグレーディングシステム(GAGS)スコア、経皮水分蒸散量(TEWL)、皮膚の比色分析(X-rite Spectrocolorimeter)、反射共焦点顕微鏡検査を用いて行い、同時に製品の許容性と安全性も評価した。

その結果、ニキビ病変数の有意な減少が4週目(-57%)および8週目(-80%)に観察され、すべての患者でGAGSスコア値の有意な低下を確認した(4週目で-42%、8週目で-78%)。TEWLの変化量から、この局所製剤が皮膚バリア機能を損なわなかったことが示された。皮膚の比色測定値はベースラインと比較して有意に減少した。ゲル製剤の有効性もRCM試験で確認され、皮膚の炎症とエキソサイトーシスの減少、および毛包漏斗部上皮過形成の改善を示した。紅斑、乾燥、過度の乾皮症などの副作用の報告はなかった。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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