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ピーマン抽出液に肥満治療に効果の可能性

トウガラシ抽出液の腸内細菌叢調整効果の研究結果が12月10日、「Molecular nutrition & food research」オンラインに掲載された。

アマトウガラシ(sweet pepper)の一種であるCapsicum annuum L. cv Seniseは健康促進効果が見込まれる成分を含んでおり、この成分は熟成と乾燥を経て変化することが想定される。今回の肥満マウスを用いた実験は、抗酸化特性が最も高い品種の探索を目的に行われた。同じ品種のトウガラシを使い異なる熟成段階での植物化学的プロファイルと抗酸化活性を評価した。

その結果、赤ピーマン(red sweet peppers)は、ポリフェノール、β-カロテン、リコピン、カプシノイドの含有量が最も高く、in vitroで最大の抗酸化活性を示した。高脂肪食(HFD)を与えられたマウスに、トウガラシからの抽出物を与えた結果、体重減少を促進し、ブドウ糖と脂質の代謝に関連する血漿マーカーの改善が見られた。また、肥満に関連する全身性炎症を改善し、脂肪および肝組織における炎症誘発性サイトカインの発現を減少させ、腸上皮バリア機能に関与するさまざまなマーカーの発現も改善した。これらの効果は、腸内マイクロバイオームの調節に関連していることが示唆され、アマトウガラシ抽出物は、食事制限を補完する肥満の治療のための新しい潜在的なアプローチと見なすことができると結論された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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