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新しく単離された酪酸菌が肥満の治療に有望

酪酸産生菌Dysosmobacter welbionis J115 Tの宿主代謝への効果を検討した論文が6月8日、「Guts」オンラインに掲載された。

一般集団およびメタボリック症候群患者から単離したDysosmobacter welbionis J115 Tの腸内存在量を調査。その後、食餌誘発性肥満および糖尿病マウスを使用して、D. welbionis J115T の生菌の1日1回の強制経口投与による宿主代謝への影響を検討した。

Human Microbiome Projectなど4コホートからの計1万1984人の解析の結果、健常集団のD. welbionis JI15 T保有率は62.7-69.8%だった。メタボリック症候群患者を伴う肥満者での存在量はBMI、空腹時血糖値、糖化ヘモグロビンと逆相関を示した。マウス試験では生菌投与で食事性肥満、体脂肪量増加、インスリン抵抗性、白色脂肪組織の肥大化および炎症が一部抑制され、ミトコンドリア数および震えなし熱発生の増加と関連して褐色脂肪組織の炎症の抑制も確認された。マウスの腸内微生物叢組成への影響は軽微だった。これらの結果は、D. welbionis J115Tが宿主の代謝に直接的な良い影響を及ぼし、肥満および関連する代謝性疾患を標的とした次世代細菌の開発に向けた有力な候補細菌であることを示唆した。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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