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【体験レポート】美容サロンのリチュアル体験から見るフェイシャルケアの可能性


多くの美容サロンでは、年齢肌やニキビ肌、乾燥肌など、さまざまな悩みに対応する幅広いケアが提供されています。 しかし、特に大きな問題を抱えていない肌に対してはどうでしょうか。体験を求めるお客様に、どのような提案が用意されているのでしょうか。それを知りたいと思い、私は複数の施設を訪れ、彼らのトリートメントを実際に試してみました。

『Maison de Beauté Paoma』―Kobidoフェイシャルの魅力

以前から、パリ6区にある「Maison de Beauté Paoma」で提供されるケアを試してみたいと思っていました。Paomaは、パリの優れた美容サロンを集めた“トップリスト”に名を連ねており、その施術を体験することは大変興味深いことでした。なかでも「フェイシャルリチュアル・オ・フォトゥイユ」が私の関心を引き、体験してみたいと思ったのです。

Paoma ― 化粧品から始まった物語

Paomaは2021年に誕生しました。創設者であるAnne-Sophie氏とJérôme Palatin氏の発想は、オーガニックで感覚的な魅力を持ち、真のウェルビーイングを追求する製品を提案することでした。さらに、化粧品を提供するだけでなく、サロンやスパで行われる専用のケアプロトコルを開発することも目的に掲げていました。

Maison de Beautéに足を踏み入れると、心地よい雰囲気に包まれます。壁は淡いローズカラーで彩られ、ブランドのシグネチャーカラーであるゴールドとピンクを思わせます。インテリアは洗練され、清潔感にあふれており、Paomaの製品は美しくディスプレイされています。温かいおもてなしと魅力的な空間はとても印象的です。

今回担当してくれるスタッフに案内され、私は施術用のチェアへと向かいました。施術はサロンの受付スペース内で行われるのです。果たして、専用の個室で行うケアのようにリラックスできるのかという好奇心が湧きました。受ける施術は「コウビド(Kobido)」です。以前体験した同様の施術は、力加減が強すぎてあまり良い印象が残っていないため、今回はどうだろうと期待と不安が入り混じっていました。

深いリラクゼーションをもたらす施術

受付スペースの奥に配置されたチェアに腰掛けると、街の喧騒や人の出入りからある程度隔てられ、静かに施術を受けられる環境になっていました。チェアは快適で、室内も十分に暖かく快適です。

施術はクレンジングから始まりました。Paoma製品の香りは繊細で心地よく、不快感はありません。スタッフは私の肌がシワやたるみのない状態であることを確認し、「Kobidoマッサージで挑戦してみましょう」と声をかけてくれました。クレンジングの後、クリームを少量取り、Kobidoの手技を開始します。

下顎から額へと徐々に進めるマッサージは、単なるアンチエイジングの効果にとどまらず、深いリラクゼーションをもたらしました。特に顎の周辺を施術されると、普段は緊張している部位が解放され、全身がリラックスするのを感じます。施術は叩打、なで上げ、こねるような動きを組み合わせたもので、痛みはまったくなく、むしろ心地よさに包まれました。おそらくスタッフは、私の肌の繊細さや敏感さを察して、適切な力加減で対応してくれたのでしょう。

施術後の肌の実感

施術を終えると、Paomaの製品と熟練の技を持つスタッフの手技のおかげで、肌がふっくらと輝きを増しているのを感じました。施術はピアノのソロ演奏に合わせて進み、音楽が美しく、リラックスを深めてくれます。通りの物音も気にならず、それ以上に深い安らぎを得られました。

施術後の仕上げと感想

およそ30分の施術が終わると、最後まで丁寧に対応してくれます。顔をすすいだ後、スタッフは美容液とクリームを肌にのせて仕上げてくれました。鏡をのぞくと、心からリラックスできたことに驚きます。顔のマッサージでここまで心身が和らぐとは思っていませんでした。肌は輝きを増し、ふっくらとしてツヤがあり、化粧をせずに外に出ても気にならないほどでした。さらに、施術で使用したPaoma製品についても、自然な流れでアドバイスをしてくれました。的確な提案があると購入意欲も高まります。押しつけがましくなく紹介されれば、顧客は安心して商品を手に取ることでしょう。

施術時間と価格

Maison de Beauté Paomaで提供される「Kobidoフェイシャルリチュアル・オ・フォトゥイユ」は、30分で75ユーロ。質の高さを考えると、非常に妥当な価格だと感じました。

『Maison Koton』―「Glass Skin」トリートメント体験

近年、SNSを中心に話題を集めている韓国発のトレンド「Glass Skin」。複数の製品を重ねて使用することで、磨き上げたガラスのように滑らかでツヤがあり、弾むような肌を目指すケア方法です。特に大きな肌トラブルがない私にとっても、果たして本当に評判通りの効果が得られるのか興味がありました。その答えを探すため、パリ11区にある美容とヘアを兼ね備えた「Maison Koton」を訪れました。

温かいおもてなし

到着すると、明るいベージュを基調としたモダンな空間が迎えてくれます。受付の左側にはネイルバーがあり、ネイル技術者が作業していました。右側はヘアサロンとなっており、賑わいを感じます。フレンドリーなスタッフが笑顔で迎え、コートを預かって飲み物を勧めてくれました。来店者も多く、活気にあふれています。

プロフェッショナルな対応

ほとんど待つことなく、Hannahというスタッフがソファまで迎えに来てくれました。時間通りで、信頼感があります。彼女に案内され、騒がしいヘアサロンエリアから離れた上階のケアルームへ向かいました。温かいベッドに横たわると、事前のカウンセリングが始まります。現在の肌状態や使用している製品、改善したい点を尋ねられ、施術の流れについても丁寧に説明を受けました。さらに、肌を実際に触れて水分不足がないかを確認してくれます。

充実したリラクゼーションケア

施術はラベンダーの香りをまとったミストからスタートしました。続いて、猫の手のような軽やかなタッチで身体をほぐし、温かいタオルを足にのせて深呼吸を促されます。その後、「Glass Skin」特有のステップに沿ってダブルクレンジングが始まりました。まずはオイルタイプのクレンジングで肌を整えます。

丁寧な二重洗顔とケアの流れ

施術はまず、顔にやわらかくタオルをのせて優しくすすぐところから始まりました。スポンジを使うと刺激を感じることが多いのですが、ここでは快適に感じられます。続いて、なめらかな泡での二度目の洗顔が行われました。通常であればこのタイプの製品を使用すると肌がつっぱることがありますが、今回はそうした不快感はまったくありません。

二重洗顔の後には、2本の柔らかいファンブラシを使ってケミカルピーリングを施され、目元はコットンで覆われました。待ち時間には、心地よい頭皮マッサージが行われ、極上のリラックスを味わいました。

ピーリングを拭き取った後は、敏感肌用のアルギン酸マスクが施されます。ひんやりとした感覚が肌に広がり、マスク中には肩や首、背中上部のマッサージを受け、さらに深くリラックスできました。

充実した仕上げのステップ

マスクを外した後には、ラベンダーの香りのオイルを使ったフェイシャルマッサージが行われました。この際には、木製のローラーやマデロセラピー用の吸い玉を用い、血行促進と肌の輝きを引き出すための手技が取り入れられています。

仕上げとして、セラム、目元用クリーム、軽いタッピングやつまむような動きを組み合わせたケアが施され、さらにデイクリームとリップバームが加えられました。最後に天然石のローラーを用いた仕上げで、「Glass Skin」の完成形が整えられました。

施術を受けての感想

これまでの体験を通して、顔のケアはボディマッサージ以上に深いリラックスをもたらすと実感しました。非常にリラックスできた一方で、施術中にヘアサロンの物音や話し声が多少聞こえてしまった点は残念でした。また、「Glass Skin」の効果はすぐに実感できるはずなのに、施術直後に大きな鏡で確認できないのも惜しく感じました。結局、外に出てスマートフォンの画面に映る自分をチェックすることになったのです。

施術後、Hannahは販売スペースで使用した製品について丁寧に説明してくれました。提案は自然で、結果的に私はピーリング、シートマスク、目元用クリームを購入しました。

施術時間と価格

今回受けたMaison Kotonの「Glass Skin」トリートメントは、13時30分に始まり15時15分に終了。合計1時間20分の充実した施術で、価格は135ユーロでした。とても満足できる体験でした。

『Tänya La Suite』―オーダーメイドケアの技

ふっくらとしたツヤ肌を目指して、私は今回オーダーメイドのフェイシャルケアを試すことにしました。向かったのは、イヴリーヌ県ランブイエにある「Tänya La Suite」という街のサロンです。スタッフとは面識がありませんでしたが、Googleに寄せられていた多くの好評価を信頼し、翌日の予約を取りました。

きめ細やかな対応

サロンは、さまざまな業種の起業家がスペースを借りている施設の一角にあります。笑顔で時間通りに迎えてくれたTaniaは、最近オープンしたという小さな心地よい空間で施術を行っています。入口付近には椅子やコーヒーマシン、販売用の製品が並ぶウェルカムスペースがあり、彼女が扱うのはDermalogicaとOdenの製品でした。

私は施術用ベッドに案内され、Taniaと肌の状態や希望についてじっくり話をしました。オーダーメイドケアであるため、こうしたカウンセリングは非常に有益です。さらに、専用のライトを使って肌の状態を確認してくれました。私は、自分の肌が乾燥していること、そして「Glass Skin」のようなツヤを得たいことを伝えました。すると、Taniaはこれから行う施術の流れを丁寧に説明してくれました。

オーダーメイドケアのプロセス

施術は「猫の手」のようなタッチでのコンタクトと深呼吸の誘導から始まります。その後、オイルクレンジングと泡洗顔によるダブルクレンジングが行われました。泡洗顔はファンブラシを使って塗布された後、指で丁寧に仕上げられます。各工程のすすぎには温かく湿らせた布が使われ、Taniaは合間に心地よい清潔感のある香りを漂わせる扇を振ってくれました。

続いて行われたのは角質ケアです。使用されたのは「Daily Milkfoliant」で、その香りに私はすぐ気づきました。肌の敏感さを考慮して選ばれたこの製品は、より刺激の強い「Daily Microfoliant」ではなく、私の肌に合った適切な選択であると感じました。

次のステップ ― マスクの塗布

続いての工程はマスクの塗布です。ここではクリーム状のマスクが使用されました。マスクを置いている間、スタッフはラベンダーの香りが漂うオイルで腕と手をマッサージしてくれました。

マスクを外した後は、顔にやさしいドレナージュを行います。なめらかなストロークと軽やかなタッピングを交互に取り入れた施術は、私の敏感な肌にも適していて心地よく感じました。さらに、短時間ながらグアシャを用いて血行促進を図ってくれます。その後、抗酸化効果のあるミストをスプレーし、美容液と保湿クリームを仕上げに塗布。施術の最後には、Taniaが使用した製品を紹介し、日常での活用方法についていくつかアドバイスをしてくれました。

施術を受けての感想

施術後は心身ともに満たされた気分です。特に嬉しかったのは、Taniaが鏡を手渡してくれ、施術直後の変化を自分の目で確認できたことです。到着時と比べて肌は明るさを増し、ふっくらとして質感がなめらかになり、クマも目立たなくなっていました。購入はしなかったものの、Taniaはサンプルを用意してくれ、それぞれの製品の使用方法や選んだ理由を丁寧に説明してくれました。

施術時間と価格

1時間のオーダーメイドケアの料金は130ユーロ。Dermalogicaの製品は確かな効果を実感できるため、この価格は十分に妥当だと思います。さらに、ランブイエ周辺では先進的なブランドを扱うサロンは少なく、この点でTaniaは他の施術者との差別化に成功していると感じました。

美容業界における学びと肌診断活用の重要性

今回の複数の体験を通じて実感したのは、専門ブランドの選定と適切な技術が結果に大きな差をもたらすということです。しかし、単に施術を行うだけでは十分ではなく、顧客一人ひとりのライフスタイルを理解し、日々のケアを提案することが欠かせません。

食事のバランスや水分補給をおろそかにしていては、健康的で輝く肌を得ることはできません。また、施術後の効果を持続させるためには、自宅でどのようにケアを行うかを顧客に伝えることが重要です。ここで意味を持つのがホリスティックなアプローチであり、それが唯一無二の顧客体験へとつながります。

専門性を高めるために、定期的な学びを続けながらホリスティックケアの要素を取り入れることをおすすめします。さらに、肌診断機器を活用することも、専門家としての信頼性を高める効果的な手段となるでしょう。



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