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【専門家が解説】敏感肌に適した成分と避けるべき化粧品のポイント

※本記事は、美容および医療に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・処方を推奨するものではありません。掲載された内容は、信頼性の高い情報に基づいて執筆されていますが、すべての症状や体質に当てはまるとは限りません。治療や処置をご検討の際は、必ず医師の診察・指導を受けたうえでご判断ください。また、医薬品や医療機器の使用に関する詳細については、厚生労働省のガイドラインや各製品の添付文書をご確認のうえ、専門家の指導に従ってください。掲載内容に基づいて生じた不利益・損害等について、編集部および筆者は一切の責任を負いかねますことを、あらかじめご了承ください。

一部の顧客は敏感肌を抱えています。そのため、肌に適したケアを提案する知識が必要です。専門家が指摘する成分の選び方をご紹介します。

敏感肌とは?

Laurent Misery教授

敏感肌は明確に定義しにくいものです。皮膚科学教授であり、ブレスト大学病院皮膚科長、フランスおよび欧州精神皮膚科学会の会長、SFD会員で『Votre peau a des choses à vous dire』の著者でもあるLaurent Misery教授によれば、敏感肌とは、かゆみ、痛み、チクチク感、灼熱感などの不快な感覚や赤みを、病原性がない要因に対しても示す肌を指します。

この状態は非常に一般的で、人口の半数が該当します。女性(60%)は男性(40%)よりやや多く、主に成人に見られますが、子どもにも生じる場合があります。遺伝的要因も影響しますが、主に環境要因が関係します。とりわけ化粧品の使用、温度変化、冷暖房や大気汚染、風、ストレスなどです。

敏感肌で避けるべきスキンケア製品と成分の注意点

Céline Couteau氏

製品の観点から

敏感肌に石けんの使用は避けるべきです。石けんはアルカリ性であり、皮脂を奪い、乾燥や刺激を引き起こします。薬学博士で化粧品学の専門家、ブログ「Regard sur les cosmétiques」の共同創設者であるCéline Couteau氏は、石けんの代わりに合成洗浄料(シンデット)の使用を推奨しています。

また、敏感肌に対して精油を含む化粧品の使用も避けるべきです。精油は刺激やアレルギーのリスクがあるためです。さらに「シンプルな処方を選び、香料を避けることが望ましい」と同氏は助言します。

加えて、Avèneの製品は敏感肌に有効であると強調します。「研究室で同社の温泉水を検証した結果、市場で最も抗炎症作用が高い温泉水であることを示すことができました」と説明し、敏感肌ケアの現場でマスクや施術時の洗い流しにAvèneの温泉水スプレーを使用するのは有益だと指摘しています。

成分の観点から

ミセラ―ウォーターも敏感肌には推奨されにくい製品です。「実際には種類によりますが、カチオン性界面活性剤を含むかどうかを確認する必要があります」とCouteau氏は述べています。セトリモニウムクロリドやミルトリモニウムブロミドは刺激性のあるカチオン性界面活性剤の代表例です。

一般的に化学的または物理的に角質を除去する製品は避けるべきです。加えて、レチノールは刺激性があるため、敏感肌には適しません。同様にフルーツ酸(AHA)も避けるべきです。「敏感肌では外的刺激から肌を守るバリアを壊さないことが重要であり、これらの成分はそのバリアを損なう可能性があります」とCouteau氏は説明します。

さらに、甘草エキスに含まれるグリチルレチン酸の使用にも注意を呼びかけています。「確かに鎮静効果がある成分ですが、コルチゾン様作用を持つため、長期間継続的に使用すると水分貯留や浮腫、高血圧などの副作用が報告されています」と警告します。実際、植物性コルチゾン様成分を含むファンデーションを3年間毎日使用した人に副作用が確認された事例も紹介しています。そのため「この成分は短期間の集中使用に留めることを推奨します」と述べています。

敏感肌ケアに推奨される主要な有効成分一覧

敏感肌や反応しやすい肌に推奨される成分はいくつかあります。

D-パンテノール

プロビタミンB5として知られ、1940年代から研究されてきました。抗菌、創傷治癒、鎮静といった特性を持ち、特に鎮静作用(医療分野では抗炎症作用)が注目されています。赤みの軽減にも有効です。

ナイアシンアミド

ビタミンB群の一種で、多くの化粧品に配合されています。鎮静効果と肌バリア強化の二重の働きを持ちます。

アゼライン酸

炎症に起因する酒さ様皮膚炎の治療に使用される成分で、炎症を抑える働きがあります。

アラントインとビサボロール

いずれも鎮静効果を持つ成分です。

カレンデュラ

敏感肌用化粧品に広く用いられる植物で、刺激や赤みを抑え、組織再生を促進し、乾燥や敏感な肌を鎮めて潤いを与えます。

スクワラン

保湿効果を持つエモリエント成分で、潤いを与えることによって鎮静効果も発揮します。


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