スケジュールがなかなか埋まらない時ほど、新しい顧客を呼び込むことの重要性に気づきます。とはいえ、その瞬間になるとどこから始めてよいのか分からなくなってしまいます。諦めるわけにはいきません。
執筆:Arnaud Walleton(美容・ウェルネス専門ウェブライター、コンサルタント、トレーナー)
1. 新規顧客を探すのが好きではない
いざ集客を始めようとすると、つい他のことをしたくなってしまう方は多いのではないでしょうか。なぜでしょうか。それは次のようなことを思い出させるからです。
- 開業当初、スケジュールを埋めることが毎日の戦いだった頃の記憶
- 成功の保証がなく、時間や予算が必要となる不確実な努力
- 「新しい常識」として紹介されるものの、顧客に押し付けたくない強引な販売テクニック
- 「利益を出すには客単価と来店頻度に注力する方がよい」という耳慣れたフレーズ
このような理由が並べば、行動をためらうのも無理はありません。
しかし今、本当に何もしないでよい状況なのでしょうか。
昔と今の違い(そしてなぜ大きく変わったのか)
かつては、固定客の信頼や口コミに頼ることが可能でした。けれども現在の市場は様変わりしています。
- 顧客の忠誠心は低下し、比較検討が当たり前になっている
- 購買力が落ち込み、予約や追加支出をより慎重に考えるようになっている
- デジタル化が進み、サロンを探す際はGoogleやSNSを通して判断される
つまり、あなたが間違ってきたわけではなく、ルールそのものが変わったのです。
適応する以外の選択肢はありません。新規顧客を探さなければ、スケジュールは少しずつ空白が増え、代替手段もなくなっていきます。
スケジュールが埋まらないときほど、新しい顧客を呼び込む必要性を強く感じるものです。しかし、そのときになると何から始めればよいか分からなくなるものです。諦めることはできません。
秘訣は「新規獲得」
新しい顧客を呼び込むのは、単なる営業スキルや販売テクニックの問題ではありません。まず必要なのは、正しい考え方と計画的な取り組みです。
新規顧客探しを楽しむための4つのアクション
1. 明確で達成可能な目標を設定する
方向性を定めずに新規顧客を探すのは、手探りで進むのと同じです。具体的な目標を立てることで、モチベーションと効率を維持できます。
- 測定可能な目標を設定する。(例えば、体験プランを通じて1か月で5人の新規顧客を獲得する、15件のメールアドレスを集めるなど)
- 週単位に分解して少しずつ進める
- 結果を記録し、罪悪感を持たずに調整する
2. タスクを整理して負担を減らす
行き当たりばったりでは、新規獲得はストレスの要因となります。よく整えられたルーティンを作ることで、余裕を持って取り組めます。
- 毎週決まった時間を確保し、認知度向上や人脈づくりにあてる
- 行動を優先順位ごとに整理する(即実行・計画に組み込む・委任する)
- この時間を顧客との予約と同じくらい大切な予定としてスケジュールに組み込む
3. 成長志向を持ち、行動に踏み出す
完璧な戦略が整うまで行動を待つことは、結果を遅らせるだけです。不完全でも行動する方が、何もしないよりはるかに価値があります。
- すぐに試しながら、進行中に調整する姿勢を持つ
- 発想を転換する。「今日は誰を助けられるか」と問いかけることで、「どうすればもっと売れるか」という考えから脱却できる
- 失敗への恐れを好奇心に置き換える。「この状況から何を学べるか」と考える
4. 自動化と委任を取り入れる
すべてを自分で抱え込むのは得策ではありません。特定の作業は自動化したり、任せたりすることで、本当に重要なことに集中できます。
- 投稿を計画し、メールを事前に自動化して不規則さを防ぐ
- 時間がかかりすぎる作業や複雑に感じるタスクを委任する。(苦手な領域や、技術的で頻度の少ない作業は人に任せた方が効率的です)
2. あなたのウェブサイトがGoogleで埋もれている
よく耳にする声があります。「新しい顧客を獲得するためにサイトを作ったのに、結局効果がない。多額をかけるくらいならSNSに集中すればよかった」と。実際に確認すると、確かに訪問者はいますが、その多くはサロン名を直接入力してアクセスしている人たちです。つまり、あなたをすでに知っている人しか訪れていないのです。新規顧客を探しているはずが、彼女たちは他の場所に行き、競合のサロンを見つけているのです。
簡単なテスト:サロンは検索で見つかるか
Googleで自分の専門に関連するキーワードを入力してみてください(例:「フェイシャルケア + 都市名」)。
もし検索結果の1ページ目に表示されないなら、新規顧客を獲得するために最適化されていないことを意味します。
もし競合ばかりが表示されるなら、彼女たちがより優れたSEO戦略を実行している可能性があります。
美しいサイトと最適化されたサイトの違い
デザインが整っていて、質の高い文章が掲載されたサイトは、確かに見込み客に良い印象を与えます。しかし、本当に効果的なサイトとは「見つけやすい」ものです。
例えるなら、通りから見えない路地裏に看板もなく店舗を構えているようなものです。ウェブでも同じで、検索順位が低ければ、サイトは単なるオンラインカタログにすぎず、顧客は他へ流れてしまいます。
秘訣は「顧客が探す前にGoogleに認識されること」
Googleはあなたの活動を勝手に理解してくれるわけではありません。正しく情報を伝え、検索結果で上位に表示されるようにする必要があります。
新規顧客を引き寄せるサイトには次の特徴があります。
- 顧客が抱く疑問に答えている
- Googleにも閲覧者にも分かりやすい構造になっている
- 定期的に更新され、常に活動が見える状態になっている
Google検索でサロンを目立たせるための4つのアクション
1. 適切なキーワードを選ぶ
顧客は単に「痩身」や「ボディケア」とは検索しません。これらは漠然としており、数千件の無関係な結果に埋もれてしまいます。
一方、「リンパドレナージュ + 都市名」といった具体的で地域に根ざしたキーワードを使えば、検索での可視性が高まり、本当に関心を持つ顧客を引き寄せられます。
さらに顧客の立場で考えることも重要です。多くの場合、彼女たちは「どのマッサージが腹部のむくみに効果的か」といった解決策を探しており、必ずしも一般的なサービス名で検索しているわけではありません。
2. ページ構造を正しく整える
Googleはサイトを一冊の本のように読み取ります。各ページには明確なタイトル(H1)、整理された小見出し(H2、H3)、画像の説明(ALTタグ)、そしてユーザーの検索意図に応えられる十分な情報量が必要です。ウェブライティングには、従来の文章とは異なる独自のルールと実践法があります。
3. 顧客のニーズに応えるコンテンツを追加する
役立つコンテンツを発信すればするほど、Googleから評価されやすくなります。
専門性に基づいたブログ記事
例
- 「40歳以降の乾燥肌に適したフェイシャルケアは?」
- FAQ(よくある質問)
- 「リンパドレナージュは効果を実感するまでに何回必要ですか?」
- 各メニューを詳細に説明するページ(施術の効果や期待できる結果など)
サイトが信頼できる情報源になれば、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。
4. 技術的なエラーを監視・修正する
目に見えない問題が検索順位に影響する場合があります。
- インデックスされていないページ:Googleに認識されず検索結果に表示されない
- 表示が遅いサイト、モバイル対応が不十分なページ、リンク切れ:ユーザー体験を損なう要因はすべて評価を下げる
Google Search Console(無料)を利用すれば、次のことが可能です。
- 有用なコンテンツが検索エンジンに正しく登録されているか確認する
- 技術的なエラーを発見し修正する
- サイトへの流入につながっている検索キーワードを把握する
これはまるで、SEOの健康診断を受けるようなものです。
3. 新規獲得の仕組みを導入していない
多くの場合、あなたの発信は「顧客はすぐに予約する準備ができている」という前提に立っています。サービス内容を紹介し、特典を告知しても予約につながらないのはそのためです。
なぜでしょうか。それは顧客の意識レベルが同じではないからです。
一部の人は、自分に必要があることすら認識していません。肌のくすみやセルライト、筋肉の緊張などを感じていても、施術が役立つことをまだ知らないのです。
別の人は、解決策があることは理解していても迷っています。サロンを比較し、プランを見比べ、口コミを探し、安心できる材料を欲しています。
さらに一部は予約する準備ができていますが、最後の一押しがなく行動できません。社会的証明や特典、明確なきっかけが必要なのです。
もしあなたの発信が「すぐに購入する顧客」だけを対象にしているなら、実はそれ以外の大多数を見逃していることになります。
従来の発信と新規獲得システムの違い
新規獲得システムとは、興味を持った見込み客を行動する顧客へと変えていく仕組みのことです。
システムがない場合
- 顧客はコンテンツを見て面白いと思っても、そのまま離れてしまう
- 疑問が残っても明確な回答が得られず、不安が消えない
- あなたの方は、彼女が自分から戻ってくるのを待つだけで、結局忘れ去られる
システムがある場合
- 顧客が少しでも関心を示したら、まずは簡単な関与につなげる(ニュースレター、体験メニュー、無料診断など)
- 教育的なメールやコンテンツを通じて不安を解消し、信頼を深める
- 適切なタイミングで分かりやすい提案を行い、行動を後押しする
秘訣は「顧客体験は来店前から始まっている」
サロンに来たときの体験を大切にしているはずです。温かいお迎え、個別対応、心地よい雰囲気…。再来店を促す工夫は万全でしょう。
しかし実際には、顧客の体験は来店前から始まっています。ウェブサイトやSNS、ニュースレターに触れた瞬間から体験が始まっているのです。もしこの導線が不十分なら、多くの機会を逃してしまいます。
あなたの役割は、オンラインでもサロンと同じように安心できる流れを設計し、顧客が自然に「予約したい」と思える環境を整えることです。押し付けられていると感じさせる必要はありません。
新規獲得を構築するための4つのアクション
1. 魅力的なオファーで関心を引く
顧客が予約に進む前に、まずはあなたを知る必要があります。
- SNSで教育的かつインスピレーションを与えるコンテンツを発信する(例:「なぜ肌がくすむのか、どう改善できるのか」)
- ターゲットを絞った広告で、実際にサービスを探している人に届ける
- 行動を促すきっかけを追加する(無料診断、体験メニュー、ワークショップなど)
2. リード獲得で連絡先を確保する
顧客を逃さないために、メールアドレスを取得しましょう。
- ダウンロード可能なガイドや特典を提供する(例:「輝く肌のための3つの習慣」)
- チャレンジ企画や体験プログラムを提案する(例:「7日間で肌を明るくするプログラム」)
3. ウェルカムシーケンスで信頼を築く
登録後は、行動につながる関係性を作ることが重要です。
- あなたの世界観や専門性を紹介する魅力的なウェルカムメールを送る
- 早期の予約を後押しする特別オファーを提示する
4. 定期的に悩みに応える
まだ予約に至らない顧客は迷っているか、準備ができていません。強引ではなく伴走しましょう。
- よくある疑問に答える(例:「リンパドレナージュは本当に効果があるのか?」)
- 関心を持ち続けてもらうために、的を絞ったコンテンツや限定オファーを届ける
そしてこれだけでは終わりません
新しい顧客を呼び込むことは、マインドセットやウェブサイト、システムの問題だけではありません。実はあなた自身が気づかないうちに、デジタルでのコミュニケーションが障害になっている場合もあるのです。