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ボディービル・サプリにドーピング薬物

肉体美を競うボディービル選手が服用する「ボディービル・サプリメント」。市販のサプリメントには、ドーピング禁止薬物が含まれているケースがあることが2月13日、国際的医学誌BMJのLetter欄に掲載された。

ボディービルダーは通常、ウエイトトレーニングと栄養管理によって発達させた筋肉の美しさを誇るが、筋肉増強のために男性ホルモンのテストステロンを服用または注射する選手もいる。テストステロンの副作用のひとつが女性化乳房で、これは、摂り過ぎたテストテトロンの一部が体内で女性ホルモンのエストロゲンに交換されることで起こる症状。この女性化乳房を防ぐために服用されるのがタモキシフェンというドーピング禁止薬物で、本来は乳がんの治療に使用されている。

記事によると、多くの場合タモキシフェンは違法に入手されているが、2011-2012年にかけて行われた調査で、Esto Suppressというボディービル・サプリメントからタモキシフェンが検出されたという。日本では、2010年のレスリング全日本選手権の競技終了後検査でドーピング違反者が発覚しており、この時の違反薬物がタモキシフェンだった。

2014年現在でもEsto Suppressにタモキシフェンが含まれているかは不明だが、2000年ごろから健康食品やサプリメントに違法成分が含まれているケースが増えているという。違法成分にはステロイド、勃起促進剤、興奮剤、食欲抑制剤、抗不安剤などがあり、ラベルを一見したところではわかりにくい化学名で書かれていたり、自然・天然の文字で安全性を謳っていたりという製品もあるという。記事の著者は、ユーザーは違法成分を服用している事に気づいていないと述べ、医療の専門家がサプリメントの使用状況を把握すべきとしている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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