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頭が冴える「スマートドラッグ」にご用心

欧米の大学生の間で蔓延する頭の良くなる薬で、神経機能に問題を起こす危険性があることが5月13日、「Frontiers in Systems Neuroscience」オンライン版に掲載された。

「スマートドラッグ」と呼ばれるこの薬は、記憶力が強くなる、頭が冴える・良くなるということで、授業や試験に勤しむ学生に広く流行している。これらの薬はインターネットで容易に購入できるものの、中には医療用のメチルフェニデート やアンフェタミンなどの精神刺激薬、モダフィニルなどの覚醒促進剤が含まれるものもあり、その危険性を研究者らは訴えている。例えば、精神刺激薬は、体内のグルタミン酸の機能に影響し、嗜癖行動が起こったり、また強まったりすることにつながる。また、行動の自由性がなくなったりといった影響も考えられるという。

2008年のアンケート調査では、大学研究者の5人に1人が認知機能増強剤を常用しているという報告ある。また米国では、成績アップや試験対策での認知機能増強剤の服用は違法であり、犯罪行為であるとういう啓発キャンペーンを展開しており、スマートドラッグの安易な流行が社会的な問題となっていることがうかがえる。

広い意味では、カフェイン、イチョウ葉エキス、DHAやEPAなどのサプリメントも「スマートドラッグ」にあたる。インターネットで安易に購入できるようになった分、購入する側に危険性を判断する能力が必要だ。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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