概要
イチョウは中国原産の落葉高木で、古代からその姿を変えず存在するため「生きた化石」とも呼ばれる、とても生命力の強い植物。そのイチョウの葉から採れるエキスの主な成分はポリフェノール類やテルペン類で、ドイツやフランスでは医薬品として認可されており、多くの期待効能がある。ポリフェノール類については活性酸素を抑える(ラジカル消去による抗酸化)効果が有名だ。イチョウ葉特有の香り成分であるギンコライドは認知症予防や血流改善、抗炎症、アレルギー症状軽減などの作用を持つ。また、メラニン生成抑制作用(チロシナーゼ阻害)・抗菌作用なども報告されており、「万能のハーブ」として注目されている。
美容へのアプローチ
紫外線は肌内部に進入すると細胞にダメージを与える。この細胞ダメージの主な要因となる「活性酸素の発生による酸化ダメージ」が肌老化と密接に関係していることは従来の定説。酸化ダメージには多くの経路があり、肌の細胞にはこうしたダメージからみずからを守る防御システムが複数ある。この生体内防御システムのひとつである「チオレドキシンシステム」の働きをイチョウ葉エキスが高めることが発見され、これまで以上に紫外線ダメージから肌を守る効果の高い化粧品の開発が可能となった。そのほかにも美白、肌荒れ防止、収れん、抗酸化、抗菌、血流促進など、そのマルチな期待効用への関心が高まっている。