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フェイスリフト手術後の血腫は患者の約1%で発生

フェイスリフト手術の際の麻酔管理の状況についての報告が、「Plastic and Reconstructive Surgery」3月号に掲載された。

この調査は、報告書の著者の勤務する医療機関で1人の外科医によって実施された、1990-2013年にかけてのフェイスリフト手術1089例を対象に行われた。報告によると、麻酔による血圧、不安、痛み、吐き気の適切な制御は、フェイスリフト手術における合併症、特に血腫の減少に役立つという。

調査の結果、1089例中10例で術後血腫を発症していた。不安レベルを抑制するために術前にベンゾジアゼピンを投与した。手術中には投与計画に従い、吸入剤、神経筋遮断薬、制吐薬、抗高血圧薬を投与した。必要に応じて術後悪心、嘔吐、不安、痛み、高血圧を治療した。著者らは、約20年間使用されてきたこの医療機関での麻酔管理は安全であり、術後血腫の減少にも役立っているとしている。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(精神安定剤)は、うつ病や自律神経失調症のほか、肩こりや不眠症まで日本では一般的に処方される薬。副作用として記憶障害がおこることは知られており、麻酔前投与によって手術中のできごとなどが記憶に残らないことを良いことと捉える報告もあったという。現在では記憶に障害がおこる「ベンゾジアゼピン健忘」、また「ベンゾジアゼピン依存症」なども問題になっている。日本では2014年に長期服用に対する規制が始まっている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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