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鍼治療で生じた皮膚疾患の報告

伝統的な治療法としての一面と現代のニーズに合わせた減量鍼や美容鍼などでも根強い人気のある鍼治療。鍼を皮膚に刺すことによって起こりうる有害事象についての報告が9月4日、「International Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

掲載された報告は、韓国の研究者らによる韓国伝統の鍼治療でのもの。韓国でも伝統的な東洋医学の手法として鍼治療は人気があるそうだ。今回の報告では、鍼治療における副作用を、皮膚への有害事象に特化して検討した。

年齢中央値52歳で鍼治療を受けた経験のある25人の患者を対象とした。最も良く利用されていたのは蜂針療法(Bee venom acupuncture)で、25人中13人が治療を受けていた。よく見られた有害事象は、非定型マイコバクテリア皮膚感染または膿皮症/膿瘍、過敏性反応、脂肪組織萎縮症、肥厚性瘢痕のような感染性皮膚疾患だった。鍼治療に関連する皮膚疾患は、比較的長い治療期間(平均8.6週間)を必要とした。

研究者らは、これらの有害事象を起こさないためにも鍼治療の十分な訓練と、施術者の医学知識の習得は必要としている。また、施術者と患者の双方で鍼治療によって有害事象が起こりうるというこを気にとめるべきともしている。

蜂針療法は関節リウマチや脳卒中後の回復への効果を期待し、各国で医学的な臨床試験が行われている。ただし、蜂毒を体内に入れるため日本では認可されていないとのこと。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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