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甘いものに目がない「砂糖中毒」を禁煙補助剤で治せるか?

「砂糖中毒」は禁煙補助剤で効果があるかもしれないという研究が4月7日、オーストラリアのクイーンズランド技術大学(Queensland University of Technology:QUT)の広報から伝えられた。詳細はオンラインのオープンジャーナル誌「PLOS ONE」に掲載されている。

世界的に上昇傾向にある肥満率に貢献するように、砂糖の消費量も上昇している。最新のWHO(世界保健機関)によれば、世界では19億人が太りすぎで、6億人は肥満と診断されるという。砂糖の消費は直接的に体重増加をもたらすだけではなく、消費を繰り返すことでたばこ、モルヒネ、コカインなどのように、脳の報酬と喜びを制御するドーパミンレベルを上昇させることが示された。砂糖をやめることは、薬物の禁断症状(コールド・ターキー)のような状態を作り出す。

今回、このトレンドを抑制するための新しい研究がQUTで行われた。動物実験では、スクロース(ショ糖)をむちゃ食いの状態で長期にわたって摂取すると、前脳に位置する側坐核にある中型有刺神経細胞の形態が変換することがわかった。これは、長期にわたる砂糖の消費が摂食障害や行動への影響を引き起こす可能性があることを示している。

研究代表を務める神経科学部のSelena Bartlett教授は、ニコチン中毒を治療するための薬剤、たとえばアメリカで認可されているチャンピックスのような処方薬が「砂糖中毒」にも効果がある可能性があるという。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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