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多孔質素材を用いた人工皮膚の開発盛ん

米国シンシナティ大学学術医療センターによる、化粧品やパーソナルケア製品の消費者テストを支援する人工皮膚の共同研究についての報告が5月10日、同大学のプレスリリースで発表された。

研究の詳細は、5月11日に開催された第8回多孔質メディア国際学会年次総会International Society of Porous Media:Interore)で発表された。

多孔質とは細かい孔が無数にある材料・材質のことで、Interporeは、この多孔質材料の理解と実用に向けての啓蒙のため2008年に設立された国際非営利組織である。Interporeでは「Transport in Porous Media」「Journal of Porous Media」 「Journal Special Topics and Review in Porous Media」の出版、年次総会などの定例会議の開催などの活動を行っている。多孔質素材は、ヒトや実験動物を傷つけることなく、消費者テストが行えるとして、フィルムなどの基材を使用した人工皮膚の開発がすすめられている。この方法で、3万件のテストを行う代わりに、200件のサブセットに基づく、2万9800件の消費者テストの結果予測を出すことができるという。また、欧州規制ガイドラインの基準をもクリアした予測も可能と述べている。

今回の研究では、数学的モデリングという技法を用いて、ヒトまたは動物を使わず、事実上の化合物試験を行うことができるというもの。多孔質モデルの開発は盛んだが、この技法では予測モデルの制作が可能という。研究者らは「化学化合物が皮膚に浸透するか、アレルギーを誘発するかどうかを、以前解析した化合物の結果に基づいて判断するための数式を開発した」と話した。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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