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クルクミンだけでは健康増進効果はないらしい

クルクミン単独では健康を増進する可能性は低いという研究結果を1月11日、アメリカ化学会(American Chemical Society)のプレスリリースが伝えた。

ウコンなどに含まれるポリフェノール化合物のクルクミンは、肝臓に良いとされ、またがんやアルツハイマーへの自然療法として広く販売されている。今回、アメリカのミネソタ大学およびメイヨークリニックなどによる、クルクミンに関する科学論文約120件の見直し調査が行われた。調査の詳細はアメリカ化学会学会誌「ACS’ Journal of Medicinal Chemistry」に掲載された。

その結果、クルクミンは生理的条件下では不安定で体に吸収されにくいという証拠が得られた。また、二重盲検プラセボ対照試験のような厳密な試験における確固とした証拠は得られておらず、クルクミンが健康に良いということを裏付ける証拠もなかった。しかし、研究者らはこのことを持ってクルクミンの研究を中止せよと言っているわけではない。

ウコン抽出物とその調製物は、現在宣伝されているようなものではないものの、健康上の利点を有する可能性がある。今後の研究では、シナジー効果をもたらす可能性のある、スパイスの化学的に多様な成分を解き明かすために、より包括的なアプローチが必要であると提言している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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