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日焼け止めでビタミンD不足に

世界的なビタミンD欠乏症は日焼け止めのせいである可能性が高いという研究が5月1日、米国オステオパシー協会のプレスリリースが伝えた。研究の詳細は協会の公式ジャーナル「The Journal of the American Osteopathic Association」に掲載されている。

米国カリフォルニア州Touro University准教授でこの研究に参加したKim Pfotenhauer博士は「人々は外出する機会が減り、外出するときには日焼け止めを使用しているため、ビタミンD産生能が無効化されている。皮膚がんから身を守ることはもっともだが、一方でビタミンD産生に効果のある健康に良い日光浴もあることを知ってほしい」と述べた。

ビタミンではなくホルモンと考えられているビタミンDは、皮膚が日光にさらされたときに産生される。ビタミンDレセプターは、人体のほぼすべての細胞に存在し、細胞増殖調節、神経筋機能および免疫機能ならびに炎症軽減を含む身体機能における広い役割を果たしている。健康なビタミンDレベルを増やして維持するには、1日2回、正午頃の太陽を5~30分をあたるだけである。時間は地理的位置と各人の肌の色素沈着に依存しており、明るい肌は暗い肌よりも多くのビタミンDを合成する。 SPF 15以上がビタミンD3の生産を99%減少させるため、この日光浴中は日焼け止めをつけないことが重要となる。Pfotenhauer博士は、「ビーチで日光浴をする必要はない。腕や脚を露出させた短時間の散歩で十分」と言う。

ビタミンD欠乏症が多発性硬化症、自己免疫疾患、感染症、呼吸器疾患、心筋代謝性疾患、癌、および骨折のリスクに関与しているかどうかを調べる研究は進行中である。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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